「出張シェフを呼びたい。けれど、結局いくらかかるのか分からない」。そう感じる方は、決して少なくありません。出張シェフ業界全体を見渡すと、出張費・食材費・機材費・人件費……と料金が要素ごとに細分化され、合計額の見通しが立たない提示が、いまでも主流です。気になる業者に問い合わせても、返ってくるのは「お見積もりします」という言葉ばかり。

Na Team Lab は、この不透明さに対するひとつの答えとして、「一人当たり全込み制」を選んできました。最低6万円から、2〜20名のコース。本記事では、出張シェフの料金が「いくら」で、「何に対する金額か」を、私たちの実例を交えてお話しします。そして、なぜこの体系を選んでいるかという背景についても、シェフの視点でお伝えしていきます。

SUMMARY

結論:出張シェフの料金は、Na Team Lab では最低6万円からの一人当たり全込み制が標準です。食材・出張・機材・人件費・後片付けまでをひと括りで提示し、2〜20名のコースに対応します。業界に多い「出張費プラス型」ではなく、合計額が最初から見える透明な料金設計を選んでいます。

出張シェフが仕立てたコース料理とワインのある食卓
出張シェフは、自分たちの空間に整う、ひと夜のレストラン

出張シェフの料金、まずは「いくらか」を率直に

出張シェフの記事で、価格の話を後回しにしているものをよく見かけます。哲学やこだわりから入って、肝心の金額は問い合わせまでお預け、という構成です。Na Team Lab は、まず数字を率直に申し上げます。1回のご依頼につき、最低6万円から。これは、Na Team Lab の公式サイトにも明示している金額です。標準の対応人数は、2名から20名まで。少人数のご夫婦お二人だけの晩餐から、二十名規模の集いまで、同じ料金体系でお仕立てしています。

二十名を超える集い、たとえばご結婚に伴う催しや大規模な記念の会についても、ご相談をいただくことがあります。その場合は要相談という形にはなりますが、お受けできる体制を整えています。最初に金額の輪郭が見えていれば、お客様のご検討も具体的に進めやすくなるはずです。「分かりにくい見積もり」を提示することよりも、まず数字を明示することのほうが、出張シェフという選択肢を身近にするうえで大切だと考えています。

出張シェフが一皿を仕上げる手元
6万円という数字の向こうに、シェフの手仕事がある

料金に含まれるもの、含まれないもの — 全込みの中身

「全込み」という言葉は、響きは良いものの、実際にどこまで含まれているかが曖昧になりがちです。Na Team Lab では、ご請求する金額の中に、以下のすべてを含めています。

  • 食材費:当日にお出しする料理の素材すべて
  • 出張費:シェフが会場まで移動するための交通費
  • 機材費:調理に必要な器具・器・カトラリーの一式
  • 人件費:シェフおよび同行スタッフの稼働分
  • 後片付け:食事のあとの片付け、原状回復までの作業

つまり、お客様にお願いしたい数字は一つだけ。当日「想定外の追加請求」が発生する設計には、原則としていたしません。ただし、すべての場面で完全に一律というわけではありません。たとえば、遠方への出張で宿泊が必要になる場合の宿泊費・交通費は、別途ご相談させていただいています。これは、距離や日程によって金額が大きく変わるためです。また、出張料理に加えて会場の手配を併せてご依頼いただいた場合は、その実費分を別建てでご請求します。

含まれているものと、別途相談になるものを、最初に明文化する。これは、お客様との信頼関係の出発点だと考えています。

業界の「出張費プラス型」と、Na Team Lab の「一人当たり全込み型」

出張シェフという領域は、サービスを提供する事業者によって、料金の組み立て方が大きく異なります。「ありとあらゆる方がいらっしゃるので、一概には言えない」というのが、業界全体の実情です。その中で、最も多く見かけるのが「出張費プラス型」の提示です。出張費としてまず一定額を提示し、その上に食材費を別途、機材費を別途、人件費を別途と積み上げていく方式です。要素ごとに分かれているので、内訳としては透明に見える側面もあります。一方で、お客様の側からすると、最終的な合計額が見積もりをいただくまで分からないという難しさも残ります。

Na Team Lab は、長く出張シェフとして活動してきた経験から、別の道を選びました。「一人当たり〇〇円(全込み)」というシンプルな提示の仕方です。お客様には、ご検討の段階で「うちは何名で参加するから、合計はだいたいこれくらい」という見立てがすぐに立ちます。当日に「追加でこの項目が」というお話を差し上げる必要もありません。この体系を選んだ理由は、ただ一つです。お客様が安心して選択できる状態を、提示する側がつくる。それが、シェフとしての責任だと考えているからです。

お店で食事するのと、ほぼ変わらない — 驚かれる料金感

実際に出張料理をご利用いただいたお客様から、最も多くいただく言葉があります。「出張なのに、お店で食べるのとあまり変わらないんですね」。これは、出張シェフの料金が「安い」という意味ではありません。むしろ、Na Team Lab が目指してきた料金水準が、率直に伝わっている瞬間です。出張シェフを、特別な日のためだけの非日常ではなく、上質なレストランで食事をするのと同じ感覚で選んでいただける場所に置きたい。そのために、価格設計を整えてきました。

Na Team Lab のもう一つの特徴は、レストランも併設運営していることです。恵比寿の店舗では、一日ひと組・八席限定のプライベートレストランをご用意しています。つまり、お客様は「お店に行く」か「ご自宅やお選びの空間に来てもらう」か、その日の用途や気分に合わせて選んでいただけます。どちらを選んでいただいても、同じシェフが、同じ哲学で、コースを組み立てます。場所が異なるだけで、味わいの輪郭は変わりません。お店の予約困難さに疲れた方も、自分たちの空間で過ごしたい方も、同じ料金感覚で選べる。これが、Na Team Lab ならではの強みだと考えています。

グラスに注がれるワイン ― 出張シェフの食卓のひとこま
店でも、ご自宅でも。同じ一杯が、その夜の食卓をひらく

プラン別の特徴 — ペアリング込みの晩餐から、立食ビュッフェまで

「全込み一人当たり制」と申し上げても、その中身は、ご利用シーンによって柔軟に変わります。Na Team Lab では、大きく分けて二つのプランをご用意しています。

晩餐タイプ:ワインペアリングを核にした、ひと夜の対話

少人数で大切な時間を過ごす晩餐には、ワインとのペアリングを核にしたプランをご用意しています。一品ごとに、合わせるワインを選び、一杯ずつお出しします。料理とワインが対話するように設計された、Na Team Lab らしいコースです。ワインの提供スタイルは、二通りからお選びいただけます。お客様がご自身でお選びになったワインをお持ち寄りいただく形でも、Na Team Lab でペアリングを設計してご提供する形でも対応できます。「いつか開けようと思っていた一本を、シェフの料理に合わせて」というご相談も、よく承ります。

集いタイプ:立食・ビュッフェで気軽に

複数の方が集まる催しや、大人数で気軽に卓を囲む集いには、立食ビュッフェケータリング形式のプランをお選びいただけます。前菜から肉料理、デザートまで、お客様が思い思いのタイミングで楽しめる構成です。会の雰囲気に合わせて、メニューの組み立ても柔軟に調整します。

仕込みは事前に — 会場ではおよそ一時間で開幕

対応できる料理のジャンルも、幅広く整えています。フレンチ・イタリアンを中心に、寿司・和食・中華まで対応可能な体制があります。これは、事前に自社のお店で仕込みを完了させてから会場へ伺う運用に支えられています。会場には、お料理がほぼ最終形に近い状態で運び込まれます。到着後は、おおむね一時間で準備を整え、すぐに会食をお迎えできる流れです。

この料金体系に込めた、シェフの哲学

「全込み一人当たり制」を選んだ背景には、シェフとしての二つの考えがあります。一つは、「お店のハードルを、できるだけ下げたい」という設計思想です。出張シェフを、特別な日だけのために身構えるサービスにしたくない。料金が分かりやすく、内訳が透明であれば、出張シェフという選択肢が、もう一段身近なものになる。そう考えてきました。

もう一つは、業界全体に対する思いです。私自身、長く出張シェフとして活動してきました。その上で、いま店舗も併せて運営しています。これから出張シェフという働き方を選んでいく方々を、Na Team Lab という会社として応援していきたい。そのためには、業界全体で料金が透明で、お客様が安心して依頼できる状態であることが大切です。料金体系を整えることは、自社の利益だけのためにあるのではなく、出張シェフという職能を、社会の中に根付かせていくための一歩でもあると思っています。

出張シェフを呼びたいけれど、料金や進め方で迷いがある。そういったお困りごとがあれば、まず一度 Na Team Lab にご相談ください、というスタンスです。フレンチ・イタリアン・寿司・和食・中華まで対応の体制を整えていますので、ご要望をお聞きしてから、最適な形をお仕立ていたします。

シェフが厨房で料理を仕上げる手元
料金の設計の先には、毎回の仕込みがある

まとめ

出張シェフの料金が「いくらか」、そしてその中身について、お話ししてきました。

  • 最低6万円から、2〜20名の標準対応。20名を超える集いはご相談ください
  • 料金には食材費・出張費・機材費・人件費・後片付けまでが含まれる「全込み」設計
  • 遠方の宿泊・交通費、会場手配の実費は、例外的にご相談させていただく
  • 業界の「出張費プラス型」に対し、Na Team Lab は「一人当たり全込み型」を選んでいる
  • お店で食べるのと変わらない」と言われる料金水準を、レストラン併設運営とともに整えている
  • プランはワインペアリングを核にした晩餐と、立食ビュッフェの二系統から柔軟に選べる
  • この料金体系には、「お店のハードルを下げたい」「出張シェフという働き方を業界として育てたい」という二つの思いが込められている

「いくらかかるか分からない」という不安が、出張シェフという選択肢を遠ざけてきたとしたら、それはとても残念なことです。料金の輪郭がはっきり見えていれば、出張シェフは、お店と並ぶ「もう一つの食卓の選び方」として、自然に手に取れる存在になります。

よくあるご質問

出張シェフの料金の相場はどれくらいですか?

出張シェフの料金は事業者によって組み立て方が大きく異なり、出張費・食材費・機材費と要素ごとに細分化されるご提示が一般的です。Na Team Lab の場合は最低6万円から、一人当たり全込みでお出ししています。2〜20名の晩餐・集いを標準でお受けしています。

料金に含まれるものと、別途相談になるものは何ですか?

Na Team Lab の料金には、食材費・出張費・機材費・人件費・後片付けまでが含まれています。例外として、遠方への宿泊や交通費が大きくかかる場合、また会場の手配を併せてご依頼いただく場合のみ、実費分を別途ご相談させていただいています。

お店で食事するのと比べて、出張シェフは高いですか?

Na Team Lab をご利用いただいたお客様からは、お店で食べるのとあまり変わらないとおっしゃっていただくことが多いです。Na Team Lab は店舗も併設運営しているため、店に行くか自宅に来てもらうかを、その日のご用途や気分でお選びいただけます。

川原壯太(Na Team Lab シェフ)
AUTHOR 川原 壯太 Na Team Lab シェフ

恵比寿のレストランを拠点に、年間200件を超える出張料理・会食を手がける。5味のバランスやペアリングなど「9つの原則」に基づいて食卓を設計し、料理教室・ワイン会も主宰。

Instagram @nateam.kawahara


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