経営者の方が、自宅に仲間を招いて食事を共にする機会が、静かに増えています。レストランで会うのとはまた違う、その家ならではの空気のなかで、心置きなく語らいたい。けれど、ご家族にお子様がいらっしゃると、夫婦で外に食べに行くこと自体が難しい。奥様が「ホームパーティー=自分が作るもの」というプレッシャーを感じてしまう。そんな悩みを耳にすることが、私たちには増えてきました。

そういうご家庭から、いま選ばれている選択肢があります。ホームパーティーにケータリング、あるいは出張シェフを呼ぶという方法です。ただ料理を運んでもらうのではありません。自宅という空間に、一夜だけのレストランを設計しに来てもらう。そんな体験について、6名規模の事例を交えながらお伝えします。

SUMMARY

結論:ホームパーティーのケータリングは『会の熱量を読む設計』で選ぶのが正解です。子育て世代のご家庭や経営者の集まりなど、会のテーマによって、主役は「会話」「ワイン」「料理」のどれかに静かに変わります。Na Team Labの出張料理は、お一人あたり1万〜1万5千円帯から、6名規模の自宅・タワーマンション共用パーティールームでも対応可能。ワインのグレードに合わせて料理の塩味を調整するなど、決まった料理を運ぶ「ケータリング」とは異なり、その夜のために設計された食卓をお届けします。

ホームパーティーで赤ワインのグラスを傾けるゲストと、傍らに供されたパスタの一皿
ワイングラスを傾けるゲストの傍らに、その夜の一皿が静かに供される ― 自宅に灯る一夜のレストラン

ホームパーティーでケータリングを選ぶ家庭が増えている背景

ここ数年、私たちのもとに届くお問い合わせのなかで、特に静かに増えているのが、ホームパーティーでケータリングや出張シェフを利用したいというご相談です。背景には、いくつかの理由が重なっています。

ひとつは、経営者同士の交流のかたちが変わってきていることです。フォーマルな会食を毎回設定するのではなく、自宅という親密な空間で、仕事を離れた話をしたい。そういう声を聞きます。もうひとつは、子育て世代特有の制約です。お子様が小さいと、夫婦そろって外食に出かけるのは難しい。けれど、自宅であれば、お子様を寝かせる時間も、機嫌を見ながらの食事も、自然に組み込めます。

さらに、都内のタワーマンションや高級レジデンスでは、共用施設としてパーティールームを備えているところが少なくありません。「自宅にお招きするには少し気をつかう」という方も、共用パーティールームであれば気軽に集まれる。そうした生活環境の変化が、ホームパーティーという選び方を後押ししています。

そのなかで、料理をどう用意するか。選択肢は大きく三つです。デリバリーや宅配のオードブル、決まったメニューを運んでくれるケータリング、そして当日その場で料理を仕立てる出張シェフ。会の目的によって、選ぶべきものは変わります。

ケータリングと出張シェフ──ホームパーティーで何が違うのか

「ケータリング」と「出張シェフ」は、同じように語られることがありますが、構造はまったく違います。

ケータリングや宅配のオードブルは、基本的に事前に決まった料理を、事前に決まったかたちで運ぶサービスです。手軽さと予測しやすさが魅力で、人数の多い集まりや、軽い立食パーティーに向いています。

一方、出張シェフは、会場であるご自宅やパーティールームに伺い、その場で料理を仕立てるサービスです。当日に調味料を整え、火を入れ、盛り付けまでをその空間のなかで行います。ホームパーティーは、その日の会話のテンポや、ゲストの体調、ワインの選び方によって、空気が一夜のうちに変わっていく場です。だからこそ、当日の現場で設計を整えられる出張シェフのスタイルが、結果としてホームパーティーに馴染みやすい、と私たちは考えています。

両者をどう使い分けるかは、「三万円のオードブルと、六万円の出張シェフ。私たちはどう使い分けているか」で詳しく扱っています。本記事では、出張シェフという選択肢を中心に、ホームパーティーで何が起きているのかをお伝えします。

ホームパーティーの会場で、出張シェフが鍋の中の肉と野菜にオイルを回し入れ、その場で火入れの準備をする手元
決まった料理を運ぶのではなく、その場で火を入れ、仕立てる ― 当日の現場で整える設計

「熱量」を読むケータリング設計──現場で起きていること

ホームパーティーに出張シェフを呼ぶ価値は、料理が美味しいだけではありません。会の「熱量」を読みながら、料理を設計し直せることにあります。

会の冒頭、お客様の表情と会話のテンポを見ます。今日この場の主役は、会話なのか、ワインなのか、それとも料理そのものなのか。ご経営者同士が深い議論をされたいときと、奥様同士が久しぶりに談笑されたいときと、料理を一品一品味わいたい食通の集まりとでは、料理が果たすべき役割がまったく違います。

そこで私たちは、コースの構成・出す順番・味わいの強弱を、当日の現場で調整します。たとえば、ワインに重きを置きたい会であれば、料理側はワインの邪魔をしない設計にする。会話を楽しみたい会であれば、手で取りやすく、会話を止めない皿を多めに組み込む。

特に大きく変えるのが、塩の入れ方です。ワインのグレードに合わせて、料理の塩味を意図的に調整します。

  • 1本10万円級の高級ワイン → 塩味を控えめに(ワインを主役に、料理を寄り添わせる)
  • 1本2,000〜3,000円のカジュアル → 塩味をしっかり(料理を主役に、ワインを脇役に)
  • ミドルレンジ → 互いの調和を取る(同調と対比のバランス)

これは、Na Team Labが大切にしている「9つの原則」のうち、塩・同調・対比・コースのリズムにあたる考え方を、ホームパーティーの現場で運用したものです。

もうひとつ、お酒が進むにつれて、人の味覚感度は静かに落ちていきます。コースが後半に差しかかると、最初と同じ塩味では、料理の輪郭がぼやけて感じられる。だから私たちは、コース後半に向けて、味をわずかに濃く整えるようにしています。お客様が会話に夢中になっていても、最後の一皿まで料理の表情が立ち上がるように。これも、1日ひと組限定で、その場にいるからこそできる調整です。

6名のホームパーティー事例──経営者家庭が呼ぶ、自宅の食卓

実際に、最近お受けしたケースをひとつご紹介します。

東京・恵比寿のNa Team Lab(紹介制レストラン)にご来店いただいたお客様から、「今度自宅でホームパーティーをするので、料理を作りに来てもらえないか」とご相談をいただいたところから始まりました。ご経営者のご夫妻とお子様1名、それに経営者仲間の方々をお招きして、合わせて6名の会です。

ご相談時にうかがった悩みは、こうでした。「子どもがまだ小さくて、夫婦で外食に出かけにくい。家で集まりたいけれど、毎回妻に料理をさせるのは違うと思っている。経営者の友人を呼ぶなら、それなりの料理を整えたい」。よくお聞きする声です。

当日は、ご自宅にうかがい、キッチンをお借りして調理を進めました。お客様がワイン好きの方で、ご自宅にセラーをお持ちでしたので、そのセラーから出していただいたワインに合わせて、料理側の調味料を最終調整しました。ワインの香りと果実味の濃さを確かめながら、塩を当てる量を決めていく。これは、レストランのコースを組むのと同じ思考です。

ご家族の食卓に、お招きされた経営者仲間が加わる。お子様の様子を見ながら、奥様もリラックスして食事を楽しめる。「ホームパーティー=奥様が作るもの」という前提が外せたことが、いちばん嬉しかった、と後日お伝えいただきました。

白い大皿に盛られたパスタと、傍らに置かれた赤ワインのグラス
セラーのワインに、料理が静かに寄り添う ― グレードに合わせて塩味を整える

タワーマンションの共用パーティールームでも対応可能

ご相談のなかで、もうひとつよくあるのが、「自宅ではなく、マンションの共用パーティールームで開催したい」というご希望です。

都内のタワーマンションや高級レジデンスにお住まいの方は、ご自宅の上層階に来客を招くこと自体に気をつかわれる方もいらっしゃいます。そういうとき、共用施設のパーティールームは、ちょうど良い距離感の会場になります。広さも確保されていますし、調理スペースや器具が備わっている物件も少なくありません。

私たちはそうした共用パーティールームへの出張にも、同じスタイルで対応しています。ご予約状況や備品のラインナップを事前にうかがい、それに合わせて持参する機材・食器を整えてから伺います。レジデンスにお住まいで、共用パーティールームをお持ちの方は、ひとつの選択肢としてご検討ください。

料金感とよくある条件──一人1万円から呼べるホームパーティー

ホームパーティーで出張シェフを呼ぶ料金感についても、お伝えします。

Na Team Labのホームパーティー対応は、お一人あたり1万円から1万5千円程度からご案内することが多いです。記念日ディナーなど少人数の特別な会とは別枠で、ホームパーティー帯の目安としてお考えください。人数は6名規模から対応しており、6名から10名前後のご家庭・経営者の集まりで、もっともご相談をいただいています。

ワインは、お客様がご自宅のセラーからお出しいただくスタイルでも、こちらでご相談に応じてご用意するスタイルでも、どちらも対応しています。お子様連れのご家族同席にも、もちろん配慮しています。

ご予算と人数、開催場所(ご自宅/共用パーティールーム)をお知らせいただければ、そこから具体的なコース構成のご提案に進ませていただきます。

まとめ

ホームパーティーでケータリングや出張シェフを選ぶときに、覚えておいていただきたい点を整理します。

  • ホームパーティーは会の「熱量」が当日変わる場。だからこそ、当日に設計を整えられる出張シェフのスタイルが馴染みやすい
  • ワインのグレードに合わせて、料理の塩味を意図的に調整することで、ワインと料理の主従関係を組み直せる
  • お酒が進むにつれての味覚感度の低下も計算に入れ、コース後半の味わいをわずかに濃く整える
  • Na Team Labのホームパーティー対応は、6名規模・お一人1万円〜1万5千円から。自宅/共用パーティールームのいずれも対応
  • 「ホームパーティー=奥様が作るもの」という前提を外せたことが、ご家庭にとっていちばん大きな価値だと言っていただけることが多い

毎月のように訪れる集まりの時間を、どう過ごすか。その設計に、ひとつ新しい選択肢を加えてみていただければと思います。

よくあるご質問

ホームパーティーのケータリングと出張シェフは、何が違うのですか?

ケータリングは事前に決まった料理を運ぶスタイルが一般的で、出張シェフは会場で当日料理を仕立てるスタイルです。Na Team Labの出張料理は後者で、当日の会の雰囲気や会話の熱量を見ながら、味わいや出す順番をその場で調整します。決まったメニューを並べるのではなく、その夜のために設計された食卓を体験していただけます。

ホームパーティーで頼む場合、何人から対応できますか。料金はどのくらいですか?

ホームパーティーは6名規模から、お一人あたり1万円から1万5千円程度でご案内することが多いです。ご自宅のキッチンを使った調理、お子様連れのご家族の同席にも対応可能です。ワインはお客様のセラーからのご提供にも合わせて料理を組み立てていきます。

タワーマンションの共用パーティールームでも頼めますか?

対応しています。むしろ、レジデンスやタワーマンションにお住まいの方からは、ご自宅ではなく共用パーティールームでの開催をご希望されるケースが多くあります。共用施設のご予約状況や備品の有無を事前にうかがい、それに合わせて調理機材・食器の搬入をシェフが整えて伺います。

川原壯太(Na Team Lab シェフ)
AUTHOR 川原 壯太 Na Team Lab シェフ

恵比寿のレストランを拠点に、年間200件を超える出張料理・会食を手がける。5味のバランスやペアリングなど「9つの原則」に基づいて食卓を設計し、料理教室・ワイン会も主宰。

Instagram @nateam.kawahara


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