料理を習ってみたい。けれど、料理教室のあの空気が少し苦手だ。エプロンを着けて、班に分かれて、決められた手順を追いかける。学びの場としては正しいのだろうけれど、もう少し肩の力を抜いて、楽しみながら覚えられる場所はないだろうか。

そう思って「料理教室 飲みながら」と検索した方は、おそらくすでにいくつかの教室を見て回ったあとだと思います。そして、お酒を飲みながら参加できる教室が、ほとんど見つからないことに気づかれたのではないでしょうか。

この記事では、まずその理由からお話しします。飲めないのには、はっきりとした構造上の理由があります。そしてその理由が分かると、飲みながら学べる形式が存在することも、同時に見えてきます。

SUMMARY

結論:料理教室でワインを飲みながら学べる場が少ないのは、多くの教室が「自分で手を動かす実習型」だからです。 火と刃物を扱う前提では、飲酒は構造的に成立しません。教室が意地悪をしているわけではないのです。 Na Team Lab の料理教室は、シェフが目の前で実演し、参加される方は見て、味わう形をとっています。手が空くので、グラスが持てる。 恵比寿の八席で、土日の昼十二時から二時間。定員は8名、1回6,000円(税込・ドリンク込み)です。 お酒を飲まない選択も、もちろんできます。

料理教室でお酒を飲めるところは、なぜ少ないのか

答えは単純です。多くの料理教室が「実習」を中心に組み立てられているからです。

実習型の教室では、参加者が自分で手を動かします。包丁を握り、鍋を火にかけ、自分の手で一皿を仕上げる。これは学び方として理にかなっています。手が覚えたことは忘れにくく、自分でやってみて初めて分かることもたくさんあります。私自身、その価値を否定するつもりはまったくありません。

ただ、手を動かすということは、火と刃物を扱うということでもあります。

この前提の上で飲酒を認めるのは、運営側としてかなり難しい判断になります。安全の問題であり、責任の問題でもあります。だから多くの教室では、はじめから「お酒はなし」という設計になっているのだと思います。

つまり、飲めないのは教室が意地悪をしているからではありません。形式がそうさせているのです。

ここが分かると、探し方も変わってきます。「お酒に寛容な教室」を探しても、おそらく見つかりません。探すべきは、手を動かさなくてよい形式の教室のほうです。

デモンストレーション型なら、飲みながら学べる

料理の皿に添えられた赤ワインのグラス
手が空いていれば、味わいながら考えられます。

Na Team Lab の料理教室は、デモンストレーション型です。

恵比寿にある八席のレストランを、そのまま教室として使います。講師が参加される方の目の前で3品を仕上げます。参加される方は、包丁を握りません。鍋も火も、触れていただく必要がありません。

見て、聞いて、途中の鍋を味見する。それがこのクラスの受講スタイルです。

だから、手が空きます。手が空くから、グラスが持てる。

順番として大切なのは、「サービスとしてお酒を出すことにした」のではない、という点です。実演型という形式を選んだ結果として手が空き、その空いた手にグラスを持っていただけるようになりました。形式の違いが、体験の違いを生んでいるという関係です。

このことは、裏を返せば模倣しにくい構造でもあります。実習型の教室がこれを取り入れようとすると、教え方そのものを変える必要が出てきます。あとから付け足せるサービスではないのです。

規模も、この形式と結びついています。定員は各回8名。もともと八席のレストランですから、卓を囲めばそれ以上は入りません。ただ、実演を全員が同じ距離で見られて、同じ鍋が全員に回る人数と考えると、この数はちょうど良いところに落ち着いていると感じています。手元が見えない席がない、というのは実演型では大切な条件です。

もちろん、どちらが優れているという話ではありません。自分の手で作ってみたい方には実習型が向いていますし、味わうことに集中したい方には実演型が向いています。目的が違うだけです。

ワインを飲みながらだと、何が変わるのか

では、グラスを持ちながら学ぶと、実際に何が変わるのか。三つ挙げます。

味見が「作業」ではなく「体験」になる

手を動かしている最中の味見は、どうしても確認作業になりがちです。「これで合っているだろうか」と、正解を探しながら口に運ぶことになります。次の手順が頭にあるぶん、味そのものに向き合う余裕が生まれにくいのです。

手が空いていると、そこが変わります。味わうことだけに集中できるようになる。同じ一口でも、受け取れる情報の量がまるで違ってきます。

五味が組み上がる工程を、グラスと一緒に確かめられる

このクラスでお伝えしているのは、レシピではなく味見です。

たとえばトマトソース。同じ鍋なのに、一手ごとに味が変わっていきます。塩を入れる前の、素材だけの味。塩を入れた瞬間に旨味が前に出て、味がひとつにまとまる感覚。そこへ酸味や甘味が重なって、立体感が生まれるところ。この変わり目を、参加者全員で味見していきます。

甘味・塩味・酸味・苦味・旨味。いま何が足りないのか、何を足せば変わるのか。私は独学の料理人で、誰かの厨房で覚えた手順を持っていません。そのぶん「なぜおいしくなったのか」を毎回自分の舌で確かめて、言葉にしてきました。その言語化を、そのまま口に出しながら進めていきます。

質問が出やすくなる

これは私が現場で一番強く感じていることです。

緊張していると、質問は出てきません。「こんなことを聞いていいのだろうか」と考えているうちに、工程は次へ進んでしまいます。ところがグラスが一杯入ると場の空気がほどけて、聞きたいことがそのまま口から出るようになります。

「なぜ今それを入れたんですか」「家でやるなら何で代用できますか」。こうした問いがその場で飛んでくると、私も答えやすくなります。結果として、持ち帰っていただけるものが増えていく。お酒には、そういう働きもあると感じています。

土日の昼十二時から、二時間の流れ

当日のことを、順を追ってお伝えします。

開催は土日の昼十二時スタートがほとんどです。所要時間は二時間。恵比寿の八席のレストランに、最大8名の方が集まります。

まず、グラスに注ぎます。席に着いていただいたところで、一品目に取りかかる前です。ワインでも、ノンアルコールでも構いません。料理を待つあいだに一杯目が入ることで、初対面同士の卓がすこしずつほどけていきます。

杯数をきっちり区切る運用はしていません。グラスが空いたら注いでいく形です。飲まれる方で、二時間のあいだに二杯から三杯というのがだいたいのところでしょうか。料理に合わせてお出ししますので、皿が変われば中身も変わります。

途中、何度も鍋が回ってきます。塩の前、塩の後、仕上げの前。そのたびに味を見て、いま何が起きたのかを言葉で確かめていきます。ここが、このクラスの中心です。

仕上がった一皿は、そのまま召し上がっていただきます。作りたてを、合うグラスと一緒に。二時間は、ここまででちょうど過ぎていきます。

料金は1回6,000円(税込・ドリンク込み)。入会金はなく、1回で完結します。続けて通っていただく必要はありません。

お酒を飲まない方は、どうするか

ここは、はっきり書いておきたいところです。

飲まない選択も、普通にできます。

昼の開催ですので、ノンアルコールドリンクは常にご用意しています。お酒を飲まれる方のグラスにワインが入るところへ、ノンアルコールが入る。違いはそれだけです。料金も変わりません。

その日は飲まないと決めている方も、そもそもお酒を召し上がらない方も、いらっしゃいます。グラスに何が入っているかで、受け取れるものが変わることはありません。

このクラスの中心にあるのは、料理がどう組み立てられているかを見て、味わって理解することです。お酒は、その体験を助ける要素のひとつという位置づけにすぎません。手が空いていることそのものが本質であって、そこに何が入っているかは二番目の話です。

グラスの中身は、どちらでも構いません。

どんな方が来ているか

実際に来てくださっている方について、お伝えします。

年齢層は、二十代から四十代の方が多いです。そして、お一人でいらっしゃる方が多いのも、このクラスの特徴です。意外に思われるかもしれません。

お一人で参加される方が多いぶん、その場で参加者同士が親しくなることもよくあります。八席の卓をぐるりと囲む形なので、自然と会話が生まれます。同じ鍋を味見して、同じところで「変わった」と声が上がる。共有できる体験があると、初対面でも話は早いようです。

リピートしてくださる方が、とても多いのもこのクラスの特徴です。その場で次回のご予約をして帰られる方も少なくありません。月替わりで内容が変わるので、続けて来ていただいても重なることがない、という事情もあると思います。

参加のきっかけとして一番多いのは、Na Team の料理を召し上がって、学びたいと思ってくださった方です。食べたものの理由を知りたい、という順番でいらっしゃいます。だから最初から、聞きたいことを持って来てくださる方が多いのだと思います。

次回の開催について

料理教室でお酒が飲めないのは、意地悪をしているからではありません。手を動かす形式では、構造上そうならざるを得ないからです。

Na Team Lab はシェフが実演し、皆さまは見て、味わう形をとっています。だから手が空き、グラスが持てる。恵比寿の八席で、土日の昼十二時から二時間。8名限定、1回6,000円。ドリンク代は含まれています。

内容は月替わりです。入会金はなく、一度きりでも構いません。気負わずに来ていただければ十分です。

開催日程は、料理教室のご案内ページにまとめています。日程を眺めるだけでも、どうぞ。

ご質問やご相談は、公式LINEでも承っています。

まとめ

料理教室で飲みながら学べる場が少ない理由と、その例外について整理します。

  • 飲めないのは形式の必然:実習型は火と刃物を扱うため、飲酒が構造的に成立しません
  • 実演型なら手が空く:シェフが3品を仕上げ、参加者は見て味わう。だからグラスが持てます
  • 味見が体験に変わる:手が空くと、味わうことそのものに集中できます
  • 質問が出やすくなる:緊張がほどけると、聞きたいことがその場で口から出ます
  • 飲まない選択もできる:ノンアルコールをご用意しており、料金は変わりません
  • 土日昼十二時から二時間・8名・6,000円:恵比寿の八席、月替わり、入会金なしの1回完結

飲みながら学べる料理教室を探していた方は、探し方を少しだけ変えてみてください。お酒に寛容な教室ではなく、手を動かさなくてよい形式の教室を探す。そうすると、見える景色が変わってくるはずです。

よくある質問

料理教室で、本当にお酒を飲みながら参加できるのですか?

できます。Na Team Lab の料理教室はシェフが実演する形式で、参加される方は手を動かしません。火も刃物も使わないため、グラスを持ったまま学んでいただけます。料金にドリンク代が含まれており、仕上げた料理に合わせたワインをお出ししています。

お酒が飲めなくても参加できますか?

参加していただけます。昼の開催ですのでノンアルコールドリンクを常にご用意しており、料金も変わりません。このクラスの中心は、料理がどう組み立てられているかを見て、味わって理解することです。お酒はその体験を助ける要素のひとつという位置づけです。

一般的な料理教室と、何が違うのですか?

いちばんの違いは形式です。多くの教室は参加者が自分で手を動かす実習型で、そのぶん技術が身につきます。Na Team Lab は実演型で、手が空くぶん味わうことと問いを立てることに集中できます。どちらが優れているかではなく、目的が違います。

川原壯太(Na Team Lab シェフ)
AUTHOR 川原 壯太 Na Team Lab シェフ

恵比寿のレストランを拠点に、年間200件を超える出張料理・会食を手がける。5味のバランスやペアリングなど「9つの原則」に基づいて食卓を設計し、料理教室・ワイン会も主宰。

Instagram @nateam.kawahara


グラスを持ったまま、料理を覚える。

実演型なので、参加される方は手を動かしません。火も刃物も使わないぶん、味わうことと問いを立てることに集中できます。土日の昼十二時から二時間、8名限定。1回6,000円にドリンクが含まれます。

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