結論:シェフズテーブルとは、厨房のそばに置かれた席で、料理人と言葉を交わしながらコースを味わう形のことです。 もともとは厨房の中にある料理長の作業テーブルを指す言葉で、転じて店の特等席を意味するようになりました。 ホテルでは厨房に隣接した個室として用意されることが多く、席にチャージが加わる形が一般的です。 小さな店では、卓ごと貸し切ることで同じ体験が成り立ちます。 この記事では、カウンター席との違い、料金の考え方、予約のときの伝え方までを整理します。
あわせて、東京で小さなプライベートレストランを探すとコース料理の順番は、ワインリストから決まるもご覧ください。

シェフズテーブルという言葉を、どこかで見かけた。調べてみると、同じ名前の映像作品が先に出てくる。席のことなのか、番組のことなのか、はっきりしない。そんな状態で、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
ここでお伝えするのは、席の話です。シェフズテーブルとは、厨房のそばに置かれた席のこと。料理人の手元を見ながら、言葉を交わしながら、コースを味わう形を指します。
この記事では、言葉の出発点、カウンター席や個室との違い、料金の考え方、そして予約のときに伝えることまでを整理します。あわせて、恵比寿で八席ひとつの卓を一日ひと組で貸し切っている側から、卓ごとシェフズテーブルにするという形をご紹介します。
シェフズテーブルとは、厨房のそばの特等席です
この言葉が指すのは、料理人のすぐそばで食事をする席です。皿がどう組み立てられているのか、何を使っているのか。その場で尋ねれば、答えが返ってきます。
フランスでは、店の中でもっとも良い席として扱われてきました。眺めのよい窓際ではなく、厨房の側がいちばんの席だという考え方です。
言葉の出発点は、厨房の作業台
もともとこの言葉は、厨房の中にある料理長の作業テーブルを指していました。仕込みをし、皿を並べ、最後の仕上げをする台です。
その台のそばに客人を招く。あるいは、その台で食事をしてもらう。そこから「シェフズテーブル」という呼び方が、特等席の意味へ広がっていきました。
ですから、この言葉の中心にあるのは、豪華さではありません。料理人の仕事場に、客として入るという距離の近さです。
カウンター席・個室との違い
似た形がいくつかあるため、整理しておきます。
| 席の形 | 位置 | 特徴 |
|---|---|---|
| シェフズテーブル | 厨房の中、または厨房のそば | 手元が見える。説明を受けながら進む |
| カウンター席 | 客席側のカウンター | 厨房に面していることもあるが、客席の設備 |
| 個室 | 客席から仕切られた部屋 | ほかの卓から独立する。料理人との距離は遠い |
カウンター席との違い
カウンター席は、客席側の設備です。厨房に面している店も多いため、体験としては近くなります。
違いは、どちら側に席があるかです。こちらは厨房側に置かれた席で、調理の音やスタッフのやり取りがそのまま届きます。静かな席ではありません。その代わり、仕事の進み方が見えます。
個室との違い
個室は、ほかの卓から離れるための部屋です。落ち着いて話せますが、料理人との距離は遠くなります。皿は運ばれてきますが、手元は見えません。
つまり、個室は「周りから離れる」ための形、こちらは「作る側に近づく」ための形です。目的が違います。個室の種類については、個室と貸切の違いをまとめた記事に整理しました。
ホテルと小さな店、二つの形
実際に提供されている形は、大きく二つに分かれます。
ホテルの形
ホテルや大きなレストランでは、厨房に隣接した個室として用意されることが多いです。部屋から厨房の様子が見える造りになっていたり、料理長が部屋へ説明に来る形になっていたりします。
予約のときに希望を伝えると用意される形が一般的です。席数が限られるため、早めの相談が前提になります。
小さな店の形
もう一つが、小さな店の形です。席数の少ない店では、そもそも料理人と客席の距離が近いため、特別な席を設けなくても同じ体験が成り立ちます。
一日に一組だけを受ける店であれば、さらに近くなります。ほかのお客様がいないため、説明に時間を使えます。会話が途切れても、急かされません。

料金の考え方
料金は、検索でもっとも知りたいところだと思います。ただ、ここは正直に書きます。シェフズテーブルの相場と言える数字は、公開されている情報からは出てきません。
分かっているのは、次のことです。
- 予約のときに希望を伝えると用意される形が多い
- 席にチャージが加わる場合がある
- 金額は店によって幅が大きく、通常の席より高くなりやすい
数字が出てこない理由は、席ごとに条件が違うからです。料理の内容、人数、部屋を使うかどうか。これらが変われば、金額も変わります。ですから、気になる店に直接尋ねるのが、いちばん早いという結論になります。
もう一つ、知っておくと見方が変わることがあります。チャージの中身は、席そのものの代金ではありません。その席のために割く人の時間です。説明しながら出すと、皿を置くまでの所要が変わります。質問に答える時間も、進行を合わせる時間も要ります。通常の席より一組に長く向き合う形になるため、その分が価格に乗ります。
参考として、当店の形をお伝えします。Na Team Lab の恵比寿のレストランは、六名さまから八名さままでの完全貸切で、コースはお一人15,000円〜(税・サービス料込)です。ワインペアリングをお付けする場合はお一人22,000円〜。席料・チャージ料・貸切料はいただきません。一日ひと組ですので、卓ごと貸し切る形が標準になります。
一回のご依頼で90,000円からという形になりますので、五名さま以下でも、会の総額が90,000円に達する場合はご相談いただけます。
予約するときに伝えること
この席を希望する場合、予約のときに伝えておくとよいことがあります。
- この席を希望していること。 席が限られるため、まずここから
- 人数。 席の形によって受けられる人数が変わります
- 会の目的。 記念日、会食、食べ歩きの延長。目的で進め方が変わります
- アレルギーと苦手なもの。 目の前で作る形では、途中の変更が難しい皿もあります
- 料理について質問したいかどうか。 聞きたい側か、静かに味わいたい側かで、こちらの間合いが変わります
最後の一つは、意外に思われるかもしれません。ですが、話したい方と、静かに過ごしたい方の両方がいらっしゃいます。どちらでも構いません。先に分かっていると、立ち位置を決めやすくなります。
ワインペアリングの値段の中身は、ワインペアリングコースの値段の記事に書きました。
卓ごと貸し切るという、もう一つのシェフズテーブル
ここから、私たちの形の話をします。
Na Team Lab の恵比寿のレストランは、八席・一日ひと組の完全予約制です。席がひとつの卓にまとまっているため、貸切にすると、卓ごとシェフズテーブルになります。
ホテルのように「特別な席を一つ用意する」のではありません。その日はその卓しかないため、全員が料理人の近くにいる状態になります。
目の前で料理するということ
料理人の側から見て、目の前で料理することには意味があります。
ひとつは、説明できるということです。なぜこの食材なのか、なぜこの火入れなのか。理由を言葉にできる形で組んでいますので、尋ねていただければお答えします。私にとっていちばんありがたい質問は、「なぜこの料理に、このワインなのですか」です。組んだ側としては、そこに興味を持っていただけるのがうれしくなります。
もうひとつは、温度です。仕上げから卓までが短いほど、狙った温度で出せます。火を止める瞬間を、卓の様子を見ながら決められます。
皿の順番は、その場で書き換わります
もう一つ、距離が近いことの効き目があります。順番を変えられることです。
コースの順番は、ワインリストと全体の流れから決めています。軽いものから重いものへ、余韻の短い皿から長い皿へ。ただ、これは固定の進行表ではありません。
早く食べ進む方が多い会では、すぐ出せる皿を先に回します。話が盛り上がっているときは、間を置きます。卓が見えているから、その場で組み替えられるのです。コースの順番の考え方は、コース料理の順番の記事にくわしく書きました。
アミューズから始まる七皿の構成で、締めは王のティラミス。所要は三時間ほどです。始まりの一皿の役割については、アミューズの意味をまとめた記事をご覧ください。

恵比寿駅から徒歩約八分、広尾駅から徒歩約十分の場所にあります。開始時刻は十九時が多いものの、一日ひと組ですので、十八時や二十時からの進行にも合わせられます。東京の小さな貸切のレストランという形については、東京の小さなプライベートレストランの記事にまとめました。
ご自宅や会場へ伺う出張料理もお受けしています。六名さまから十六名さまの着席コースで、お一人15,000円〜、ペアリング付きで22,000円〜。器もグラスもカトラリーも持参し、片付けまで済ませて引き上げます。お客様の手は、指一本汚れません。ご自宅の卓を、その夜だけシェフズテーブルにする形です。
詳しくはレストランのページと出張料理のページをご覧ください。ご相談は公式LINEで承っております。
まとめ
シェフズテーブルについて、整理します。
- シェフズテーブルとは、厨房の中、または厨房のそばに置かれた席のことです
- 言葉の出発点は、厨房にある料理長の作業テーブル。そこから特等席の意味へ広がりました
- カウンター席は客席側の設備、シェフズテーブルは厨房側の席という違いがあります
- 個室は周りから離れるための形、こちらは作る側に近づくための形です
- ホテルでは厨房に隣接した個室として、小さな店では席の近さそのものとして成り立ちます
- 料金は席にチャージが加わる形が多く、金額は店によって幅があります。相場と言える数字は公開されていません
- 予約のときは、人数・会の目的・質問したいかどうかを伝えておくと、間合いが決まります
料理人の近くに座るということは、料理が出てくるまでの時間も含めて味わうということです。皿が完成していく過程が見え、理由を尋ねられる。この言葉が指しているのは、たぶんその時間のことだと思っています。
よくある質問
シェフズテーブルとはどういう席ですか?
厨房のそば、あるいは厨房の中に置かれた席のことです。料理人の手元を見ながら、説明を聞きながらコースを味わえます。もともとは厨房にある料理長の作業テーブルを指す言葉でした。
何人から予約できますか?
席の形によって変わります。二名から受ける店もあれば、個室として六名以上で受ける店もあります。当店は六名さまから八名さままでの貸切で、五名さま以下でも会の総額が90,000円に達する場合はご相談いただけます。
普通のコースと何が違うのですか?
料理そのものより、距離と会話が違います。皿が出てくるまでの手元が見え、理由を尋ねれば答えが返ってきます。会の進み方に合わせて出す順番を変えられるのも、違いの一つです。
シェフズテーブルの料金はいくらですか?
相場と言える数字は公開されておらず、金額は店によって幅があります。席にチャージが加わる場合が多く、通常の席より高くなりやすいため、気になる店に直接尋ねるのがいちばん早いです。当店は席料・チャージ料・貸切料をいただかず、コースはお一人15,000円〜です。
シェフズテーブルとカウンター席の違いは何ですか?
カウンター席は客席側の設備で、シェフズテーブルは厨房の中、または厨房のそばに置かれた席です。厨房側にあるため、調理の音やスタッフのやり取りがそのまま届き、仕事の進み方が見えます。
一組で店を貸し切る夜へ。
恵比寿の八席を貸し切り、持ち込みの一本や会の目的に合わせてコースを組み立てます。

