結論:結婚35周年は「珊瑚婚式」と呼ばれる節目です。 珊瑚や赤い色にちなむものを贈る習わしがあり、品物と食事の席を組み合わせて祝う方が多い年数です。 主役のご夫妻は60代が中心になり、移動そのものが負担になってきます。 お子さまが主催するなら、贈り物より先に場所を決めるほうが形になります。自宅か、店の貸切かの二択です。 結婚した年のワインを一本用意しておくと、話題が自然に昔へ向かいます。
あわせて、結婚四十周年のお祝いは、場所から決まりますと金婚式とは 結婚50年目を祝う日の過ごし方もご覧ください。

結婚35周年が近づいて、何婚式なのかを調べる。そこまでは、すぐに分かります。けれど、その先で迷う方が多いようです。何を贈ればよいのか。そもそも、贈り物でよいのか。
35年目は、物がすでにそろっている時期です。ご夫妻にとって必要なものは、たいてい手元にあります。だからこの年数は、品物を一つ増やすことよりも、ひと晩の時間をつくるほうが残りやすい節目だと考えています。
この記事では、珊瑚婚式という呼び名の意味、贈り物の選び方、そしてお子さまがご両親のために食事会を開く場合の段取りをお話しします。ご家族の記念の席に伺って料理をお出ししている側から見えていることを書きます。
珊瑚婚式とは ― 結婚35周年の呼び名
結婚35周年は、珊瑚婚式と呼ばれます。読み方は「さんごこんしき」です。
結婚記念日には、年数ごとに名前がついています。1年目の紙婚式から始まり、年を重ねるにつれて、贈られる素材が柔らかいものから硬く、価値の高いものへと移っていきます。35年目に置かれているのが珊瑚です。長い時間をかけて少しずつ育つ珊瑚に、35年という年月を重ねた呼び名だとされています。
これは一般に流通している慣習で、宗教的な決まりごとではありません。由来を一つに絞ることもできません。覚えておくと会話の入り口になる、という程度のものだと考えていただければよいと思います。
結婚記念日の名称一覧
| 年数 | 名称 |
|---|---|
| 20年 | 磁器婚式 |
| 25年 | 銀婚式 |
| 30年 | 真珠婚式 |
| 35年 | 珊瑚婚式 |
| 40年 | ルビー婚式 |
| 45年 | サファイア婚式 |
| 50年 | 金婚式 |
25年の銀婚式と50年の金婚式が、席を設けて祝われることの多い二つの節目です。珊瑚婚式は、その中間にあたります。銀婚式から10年、金婚式まであと15年。ちょうど、折り返しを少し過ぎたあたりという位置になります。
40周年のルビー婚式については結婚四十周年の記事に、50周年については金婚式の記事に書きました。
36年目は何婚式か
よく検索されている質問なので、先にお答えしておきます。一般に広まっている一覧では、36年目に固有の名称は置かれていません。 35年の珊瑚婚式の次は、40年のルビー婚式です。
名称が置かれていない年は、祝ってはいけない年ではありません。35年目に都合がつかなかったご家族が、翌年に席を設けることもあります。名前のない年は、数字そのものを理由にすればよいと思います。
結婚35周年の贈り物と、祝い方の三つの選択肢
祝い方は、大きく三つに分かれます。旅行、写真、食事の席です。
- 旅行。時間が長く取れる反面、移動の負担が大きくなります。ご夫妻の体力と、お子さま世代の日程調整が条件になります
- 写真。形として長く残ります。ただし当日の所要時間は短く、その一日の中心にはなりにくいところがあります
- 食事の席。もっとも調整がしやすく、人数を増やしても成立します。孫の世代まで集まるなら、現実的にはこの形が多くなります
この三つは、組み合わせても構いません。写真を撮ってから食事に移る、という流れはよくあります。私たちがご家族の席に伺うときも、会の最後の記念撮影をお手伝いしています。
ご夫婦のあいだで贈る場合
ご夫婦で贈り合う場合、慣習にちなむなら珊瑚のアクセサリーや、赤い色のものが選ばれています。
金額の相場については、正直に申し上げます。調べると幅が広く、一つに決めることはできません。 ですからここでは、金額の話をしません。代わりに、品物を選ぶときの手がかりを一つだけ。
私自身、品物をいただく機会があります。嬉しいのは、「自分のことを考えて選んでくれたのだな」と伝わるものです。普段使うもの、以前「これが好き」と話したのを覚えていてくれたもの。35年連れ添ったご夫婦であれば、この条件を満たす品は、おそらくもう見当がついているはずです。
子どもからご両親へ贈る場合
お子さま世代から贈る場合、少し事情が違います。ご両親は、物をあまり欲しがらない年代に入っています。
私が席で見てきた範囲での所感ですが、体験として受け取りたいという方は、年配になるほど多いように感じます。 物を受け取るのも嬉しいのだろうと思います。ただ、70代の主賓の方を見ていると、たくさん食べることが目的ではなく、同席した人たちと同じ雰囲気を味わいたい、という感覚のほうが強く出ています。
もうひとつ、通説とは違うことをお伝えしておきます。お祝いそのものは、嬉しく受け取る方が多いです。 「年寄り扱いされるのを嫌がるのではないか」と心配される方がいらっしゃいますが、私が見てきた席ではそうではありませんでした。
ですから、お子さまから贈るなら、品物を一つ添えたうえで、席を設けるという形をおすすめしています。品物は記念として、席はその日の時間として。役割が分かれます。

子どもが主催する食事会の段取り
ご家族の記念の席では、主催がお子さま世代であるケースが多いです。段取りを組むのも、その世代になります。
決める順番は、場所からです。贈り物より先に場所が決まると、あとの判断が軽くなります。選択肢は二つあります。
- ご自宅、または実家で開く。移動がなく、時間の区切りもゆるやかです
- 店を貸切にする。準備が一切不要で、非日常の設えになります
自宅が選ばれる理由は、移動の短さだけではありません
ご自宅を選ばれる理由を伺うと、まず「移動しなくていい」と返ってきます。年齢が上がるにつれて、移動そのものが負担になってきます。
ただ、理由はもう一段あります。疲れたときにすぐ休める環境が、家にはあって、店にはないということです。私はこれが大きいと考えています。会の途中で少し横になれる部屋があるかどうかは、3時間の席では決定的な差になります。
実際、お客様から聞こえてくる満足の声でもっとも多いのは、「家でゆっくりできた」という一言です。
もうひとつ、お店が選ばれにくい理由もあります。お店だと細かな対応ができない、孫が騒いだらどうしようという不安。結果として「家で気にせず企画したい」とおっしゃる方が多い。そのための出張料理だと思っています。
ご自宅での会では、ご年配の方に合わせて料理そのものを調整しています。塩味を抑え、食べやすく、噛み切りやすくする。量とお出しするペースも変えます。お孫さんが同席される場合は、年齢に応じて食べられるものに組み替えます。コースの全体像は変えず、一人ひとりに合わせて中身を組み直すという形です。
当日の進め方と、支払いのこと
出張料理は、6名さまから16名さままで、コース形式で一皿ずつお出しします。お一人 15,000円〜、ワインペアリングを付ける場合は 22,000円〜。1回のご依頼につき 90,000円〜 で、表示の金額に税・サービス料・出張費がすべて含まれます。ご夫妻とお子さま夫婦、お孫さんまで集まると、だいたいこの人数帯に収まります。
当日は開始の1時間ほど前に伺って仕込みを展開し、コースは2時間から3時間で進めます。進行表どおりに機械的に流すのではなく、会話が続いていれば間を置きます。時間が押しても、延長料金は発生しません。 片付けはシンク・コンロ・排水口まで済ませて引き上げます。食材・器・グラス・カトラリーはすべて持参しますので、実家の食器が人数分足りなくても問題ありません。
お支払いは、当日現金か、事前のお振込です。事前にお振込を選んでいただければ、当日その場で会計が発生しません。 ご両親を招く席では、この一点が「誰が払うのか」を当日の話題にしないための答えになります。
恵比寿の店を貸切にするという選択肢もあります。6名さまから8名さま・一日ひと組の完全貸切で、コースはお一人 15,000円〜(ドリンク持ち込み無料・税サ込)、ワインペアリング付は 22,000円〜です。7皿構成で所要は約3時間、開始の時刻はご来店の都合に合わせて調整できます。完全予約制の店ですので、ご相談は早めにいただけると助かります。
ひとつ、正直にお伝えしておきます。珊瑚婚式という名目でのご依頼は、まだお受けしたことがありません。 記念日のご依頼としては、誕生日と結婚記念日がもっとも多く、70代の方が主賓となる会にも伺っています。同じ設計で、35周年の席としてお受けできます。
結婚した年のワインと、思い出のひと皿
35年を祝う卓には、一本だけ決めておくとよいものがあります。結婚した年のワインです。
レストランをいろいろ食べ歩いてきたご夫婦ほど、ある時点で「自分の家に来てもらう」という需要が出てくる傾向があります。結婚20年目のあるご夫婦は、普段から店を巡ってこられた方でしたが、自宅で記念日を過ごすのは初めてだったとおっしゃっていました。
自宅や別邸であれば、持ち込み料という制約がありません。ずっと開けられずにいた一本を、その夜に開けることができます。恵比寿の店を貸切にする場合も、ドリンクの持ち込みは無料です。
開ける一本の選び方には、三つあります。
- 結婚した年のヴィンテージ
- 奥様、またはご主人の生まれ年のヴィンテージ
- お互いの生まれ年を二本並べて開ける
三つめは、話が長くなります。歳の差がそのままヴィンテージの差になるので、同じ年のワインを飲み比べるのとは別の時間が流れます。
年号より産地で選ぶ
ひとつだけ、先にお伝えしておきたいことがあります。生まれ年や結婚年のワインは、年号より産地で選ぶほうが外しません。
同じ年でも、産地によって出来が大きく違います。ヴィンテージは収穫年の記録ではなく、その年の気象条件の記録です。寒い年は酸が強く出て、暖かい年は果実感が強く出ます。年号だけを頼りに探すと、年は合っているのに好みから外れた一本に当たることがあります。選び方の詳細は、生まれ年のワインは年号より産地で選ぶという記事に書きました。
料理のほうは、思い出のひと皿を一品だけ混ぜるという方法があります。新婚のころによく作ったもの、昔よく行った店で頼んでいたもの。ご相談いただければ、コースの中に組み込みます。35年前の食卓を、一皿だけ再現する。それだけで、話題はその年に戻ります。

メッセージに何を書くか
贈り物に一言添える場合、長く書く必要はありません。35年という数字が、すでに十分なことを語っています。
書きやすいのは、数字と、具体的な記憶を一つ入れる形です。
- ご夫婦のあいだで:「三十五年、ありがとう。あの夏の旅行の話を、また聞かせてください」
- お子さまからご両親へ:「結婚三十五周年おめでとうございます。二人が並んでいる食卓が、私の基準になりました」
- お孫さんから:「おじいちゃん、おばあちゃん、三十五年おめでとう。また一緒にごはんを食べよう」
長い感謝よりも、一つの場面を書くほうが残ります。 文例はあくまで型です。ご自身の言葉に置き換えていただければと思います。
まとめ
結婚35周年は、品物を増やす節目ではなく、卓を囲み直す節目だと考えています。
- 結婚35周年は珊瑚婚式。長い時間をかけて育つ珊瑚にちなむ、一般に流通する呼び名です
- 前後は30年が真珠婚式、40年がルビー婚式。36年目に固有の名称はありません
- 贈り物の相場は幅が広く、一つに決められません。金額より「自分を見て選ばれたか」が残ります
- お子さまから贈るなら、品物を一つ添えたうえで席を設ける形がおすすめです
- 自宅が選ばれる理由は、移動の短さと、疲れたときに休める部屋があることです
- 出張料理は6名さまから16名さまで、お一人 15,000円〜。恵比寿の店の貸切は6名さまから8名さまです
- 結婚した年のワインを一本。選ぶときは、年号より産地で
35年分の話は、一晩では終わりません。だからこそ、終わらない席を用意しておく価値があります。
ご自宅に伺う出張料理は、基本的に東京都内で承っています。ご相談は2週間前までにいただけると、当日までに設備とご希望に合わせた組み立てができます。結婚記念日の過ごし方そのものについては、結婚記念日は何をするかの記事もあわせてどうぞ。日程やご人数のご相談は、公式LINEにてご案内しています。
よくある質問
結婚35周年は何婚式ですか?
珊瑚婚式です。35年という年月を、長い時間をかけて育つ珊瑚にたとえた呼び名だとされています。前後では30年が真珠婚式、40年がルビー婚式です。いずれも一般に流通している慣習で、宗教的な決まりではありません。
珊瑚婚式に妻へ贈るプレゼントは何がよいですか?
珊瑚のアクセサリーや、赤い色にちなむものが選ばれています。ただ、35年目はすでに物がそろっている時期でもあります。品物にこだわらず、食事の席と組み合わせる形も検討されるとよいと思います。
結婚36年目は何婚式ですか?
一般に広まっている一覧では、36年目に固有の名称は置かれていません。35年の珊瑚婚式の次は、40年のルビー婚式です。名称のない年は、数字そのものを理由にして祝っていただければよいと思います。
結婚35周年の食事会は、自宅とお店のどちらがよいですか?
ご自宅は移動がなく、疲れたときにすぐ休める部屋がある点が大きな利点です。お店の貸切は準備が一切不要で、非日常の設えになります。お子さまが主催するなら、贈り物より先に場所を決めると段取りが軽くなります。
ご自宅のお祝いを、シェフに任せる。
恵比寿のレストランのシェフチームが、食材と器を持ってご自宅へ伺います。お持ちのワインに合わせてコースを組み、後片付けまで終えて帰ります。あなたは、ゲストの隣へ。

