クリスマスパーティーの料理で相談をいただくとき、最初に出てくるのは品数の話です。何品用意すればよいのか。足りなかったら困る。そう考えて品数を増やしていくと、当日は台所から出られなくなります。

料理が10品並んでいても、そのすべてがぬるければ、記憶に残る皿は一つもありません。逆に冷たい前菜が4品と、熱いままの一皿が出てくれば、その夜は成立します。決めるべきなのは品数ではなく、温度の順番です。

SUMMARY

結論:クリスマスパーティーの料理は、8〜16名なら5〜7品が目安です。 冷たい前菜を保冷しながら少量ずつ出し、温かいメインの一皿を後半に出すと、主催者が台所にこもらずに済みます。 すべてを作るより、前菜とデザートを用意し、メインだけを頼むか料理人を呼ぶ形が現実的です。 品数を横に広げるより、中心に一皿を置いたほうが、場は動きます。 季節感は飾りを足すより、料理の色と香りで出すほうが、食卓は整います。

あわせて、自宅で過ごすクリスマスディナーと買う皿と頼む皿を分けるもご覧ください。

人数別の品数と、温かい皿の数

品数の見立ては、立食の目安から逆算すると立ちます。30名ほどの立食で10品前後をお出しすることが多いので、そこから人数に応じて品数を落としていく形です。

人数品数の目安温かい皿取り分けの場所
8名5品前後1皿テーブル中央に1箇所
12名6品前後1皿1箇所、通路を空ける
16名7品前後1皿(量を増やす)2箇所に分ける

8名と16名では、会の形そのものが変わります。8名なら全員が同じ卓を囲めるので、一皿ずつ回していく形が成り立ちます。16名になると、立って話す人と座って話す人が同時に生まれます。同じ「パーティー」という言葉でも、料理の置き方は別の設計になります。

品数を人数と同じ数だけ増やす必要はありません。人数が増えたときに増やすのは、品数ではなく一皿の量と、取り分けの場所の数です。 16名で一箇所に料理を集めると、そこに列ができて会話が止まります。

量は、少し余るくらいで用意してください。私たちがお伺いするときも、少し余る量を持っていきます。足りなくなることが、いちばん避けたい事態だからです。よく食べる方が多いかどうかを、招く側があらかじめ見積もっておくと、この精度が上がります。

クリスマスパーティーの料理を出す順番は、温度で決める

温かい肉料理に赤いソースと緑の野菜を添えた実写写真
温かいメインを一皿に絞り、赤と緑を料理の中に置く一例です。実際のクリスマス会の記録ではありません。

順番は、次の三段で考えると簡単です。

1. 冷たい前菜(提供直前まで冷蔵・保冷し、少量ずつ出す)

2. 温かいメインの一皿(乾杯のあとから会の中盤に出す)

3. デザート(片づけの前に一度、場を区切る)

冷たい前菜を先に準備する理由は二つあります。到着時間がばらけてもすぐに出せること。そして、主催者が出迎えに専念できることです。生ハムやマリネ、チーズ、パテは提供直前まで冷蔵・保冷し、食べる分だけ少量ずつ出します。長時間の常温放置は避けてください。

温かいメインは、乾杯のあとから会の中盤に出します。ここで湯気が立つと、会の空気が一段変わります。この皿だけは、温かい状態で出してください。 ローストチキンでも、塊で焼いた肉でも構いません。私たちが伺う会でも、火入れのできる環境があれば作りたてをお出しし、それが難しい場合は適切に保温して運びます。中心の一皿があるかどうかで、場の動き方が変わります。

デザートは、会を区切る役を持ちます。ここで一度全員が席に戻るので、そのあとの時間が落ち着きます。

作る皿・買う皿・頼む皿の分け方

全部を作る必要はありません。手を入れる場所を選ぶほうが、結果は良くなります。

分類向いている料理理由
作る皿冷たい前菜、サラダ、マリネ前日か当日の午前に仕込める。当日の手を取らない
買う皿パン、チーズ、生ハム、デザートの一部完成品の質が高く、手を入れる余地が少ない
頼む皿温かいメインの一皿当日の火入れが要る。ここに主催者の手を使うと席に戻れない

器の数も、この段階で決まります。取り分ける大皿が二枚あるか、小皿が人数分あるか。足りない器を当日に探すことになると、料理より先にそこで時間を取られます。私たちが出張で伺うときに器やカトラリーを持参しているのは、この手間を主催者の側に残さないためです。

作る皿と買う皿を先に決めてしまえば、当日残るのは温かい皿だけです。そこを外に出すか、自分で引き受けるか。この判断が、当日の座っていられる時間を決めます。

クリスマスらしさは、色と香りで足りる

クリスマスの食卓は、飾りを足しすぎると散らかります。料理の側で季節を出すなら、二つの要素で足ります。

  • 色:赤と緑を、料理そのものの中に置く。トマト、赤い果実、ハーブ、緑の葉物
  • 香り:シナモン、クローブ、ローズマリー、オレンジの皮。部屋に入った瞬間に季節が伝わります

反対に、避けたほうがよいものもあります。派手な仕掛けです。ケーキを投げるような演出は、私たちもお受けしていません。写真のための演出は残りますが、味わいと会話は残りません。

ケーキは、食後の一区切りとして置くと収まります。ご相談いただければ、私たちが事前にご用意し、メッセージプレートを仕立てて持参します。ご自身で用意されたケーキをお持ち込みいただく形でも構いません。

ワインとシャンパンの本数

食事が中心のクリスマス会では、お一人あたり半本から見積もるのが一つの目安です。10名なら5本前後を出発点とし、飲まない方の人数や会の長さで調整します。ワインを主役にした長い会なら、お一人0.7本を目安にします。

グラスは、お一人1脚が最低ラインです。途中で種類を替えるなら、その杯数の分だけ脚数が要ります。同じワインでもグラスが変わると味が変わるため、洗って使い回すより、数を用意するほうが会は滑らかに進みます。

主催者が座れる段取り

料理の設計が終わったら、次は時間の割り振りです。

前日まで

  • 冷たい前菜の仕込みを終える(マリネ、パテ、サラダの野菜の下処理まで)
  • 買う皿を買い切る。当日の買い物は残さない
  • 皿とグラスを数えて出しておく。足りない数はこの時点で分かります
  • 頼む皿の受け取り時刻、または料理人の到着時刻を確認する

当日

  • 午前:冷たい前菜を仕上げ、冷蔵庫に入れる
  • 開始1時間前:前菜の皿と保冷の場所を整える。料理は冷蔵庫に置き、氷とグラスを出す
  • 開始15分前:最初の1本を開ける準備をする
  • 開始:出迎えに専念する。ここから台所に立たない

私たちが出張でお伺いするときも、開始の1時間前に現場へ入ります。1時間あれば、食卓は整います。 逆にそれより短い時間で全部を動かそうとすると、どこかが削れます。

そして、主催者の分の皿を一枚、先に取り分けておいてください。会を回す立場の方は、たいてい食べきれないまま終わります。奥様が料理を担う形になっているご家庭ほど、この一枚が効きます。

12月は、料理人を早めに

クリスマスに料理人を呼ぶという選択は、まだ一般的ではありません。けれども8名を超える会で、温かい料理を出しながら主催者が席に座っていたいのであれば、これが最も素直な解になります。

Na Team Labでは、食材・器・グラス・カトラリー、必要な調理道具のすべてを携えてご指定の場所に伺います。運ぶのではなく、その場で仕立てる。終われば、シンクやコンロ、排水口まで片づけて引き上げますので、お客様の手はひと指も汚れません。クリスマスの時期も、季節と場面に合わせてコースを組み直したうえで、同じ設計でお受けできます。

小さなお子さまが同席される会では、お子さま向けの一皿を組むこともできます。夜の遅い時間を避けたい場合は、ランチ帯や早い時間帯のご相談も承っています。

ひとつだけ、時期の話をさせてください。12月は、早い時期に枠が集まります。 通常は2週間前までのご相談をお願いしていますが、12月については11月中にご相談いただけると、設計に余裕が生まれます。形式と費用の目安は出張料理のご案内にまとめています。

まとめ

クリスマスパーティーの料理は、品数ではなく温度の順番で決まります。

  • 8〜16名なら5〜7品が目安。人数が増えたら、品数ではなく一皿の量と取り分けの場所を増やします
  • 出す順番は、冷たい前菜 → 温かいメインの一皿 → デザート
  • 冷たい前菜は提供直前まで冷蔵・保冷し、温かい皿は乾杯のあとに出します
  • 作る皿・買う皿・頼む皿を先に分け、当日の手を温かい皿だけに残します
  • 季節感は、色と香りで足ります。派手な仕掛けは要りません
  • ワインはお一人半本が換算の目安。グラスは1脚が最低ラインです
  • 主催者の分を一枚、先に取り分けておきます

主催者が座っている食卓は、それだけで温度が上がります。

よくある質問

子どもが一緒のクリスマスパーティーでは、料理をどう変えればよいですか?

辛みと香りの強いものを避け、取り分けやすい形にしておくと安心です。大人の料理を薄味にするより、子ども向けの一皿を別に用意したほうが、どちらの満足度も下がりません。私たちがお伺いする会でも、お子さま向けの一皿を組んだことがあります。

クリスマスパーティーの料理の予算は、どう考えればよいですか?

品数で割るより、中心の一皿にどれだけ置くかで考えると決まりやすくなります。前菜とパン、デザートは価格の振れ幅が小さく、メインだけが大きく動きます。頼む皿をメインに絞れば、予算の使いどころが一箇所にまとまります。

持ち寄りにする場合、何を頼めばよいですか?

常温で長く置くことになる料理と、生ものは避けていただくのが無難です。火を通したもの、冷たいまま保てるものに絞り、保冷剤を入れた袋で運んでいただく形が安心です。主催者側は、取り分ける皿とスペースを先に空けておくと受け取りが滑らかになります。

Na Team Lab オーナーシェフ 川原壯太
ABOUT NA TEAM LAB Na Team Lab|株式会社Na Team

東京・恵比寿を拠点に、出張料理・店舗貸切・料理教室・ワイン会を展開。料理、ワイン、空間、その日の時間までを設計し、食を通して心に残る体験をつくっています。

執筆:(オーナーシェフ)。年間200件を超える出張料理・会食の経験をもとに、現場の視点をお伝えします。

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