撮影が押している。次の香盤がいつ動くか分からない。それでも、そろそろ誰かが何か食べないと持たない。制作の現場にいる方なら、この感覚をご存じだと思います。
ケータリング 楽屋、と検索される背景には、たいていこの切迫があります。おいしいものを囲みたいのではありません。進行を止めずに、全員の空腹を解く方法を探している。
この記事では、楽屋ケータリングとは何かという定義から始めて、時間帯ごとに向くメニューの型、現場で喜ばれる条件、そして制作会社が発注するときの実務までを整理します。手配の担当になった方が、そのまま社内で共有できる粒度で書きました。
結論:楽屋ケータリングとは、撮影や公演の現場で、出演者とスタッフに提供する食事のことです。 拘束時間が長く、外へ食べに出られない現場のために用意されます。 いつでも食べられること、片手で食べられること、温度が保てること。この三つが現場側の条件になります。 発注は制作会社が行い、人数と時間帯、搬入と撤収の条件を伝えるところから始まります。 この記事では、時間帯別のメニューの型と、現場で喜ばれる五つの条件を整理します。
現場の料理量は立食パーティーの料理設計で、費用はケータリングの見積もりで詳しく解説しています。
結論|楽屋ケータリングとは、現場に届ける出演者・スタッフ向けの食事です
楽屋ケータリングとは、撮影や公演、収録の現場で、出演者とスタッフに提供する食事のことです。控室に置かれることも、現場の隅に長机を組んで並べられることもあります。
一般的なパーティーのケータリングと言葉は同じですが、設計の前提がまるで違います。パーティーの料理は、開宴という決まった時刻に向けて整えます。楽屋の食事には、その時刻がありません。
そのため、求められるものが変わります。
- いつでも食べられること。人が来る時間を決められないため
- 片手で食べられること。台本や機材を持ったまま口に運ばれるため
- 温度が保てること。置かれてから食べられるまでに時間が空くため
この三つが揃わないと、どれほど手をかけた料理でも現場では機能しません。逆に言えば、この三つを満たしていれば、料理の内容には幅を持たせられます。
楽屋ケータリングは、味の設計である前に、条件の設計です。 ここが出発点になります。
なぜ、現場にケータリングが要るのか

そもそも、なぜ外で食べずに、わざわざ現場へ食事を運ぶのか。理由は三つに整理できます。
拘束時間が長く、外に出られない
撮影も公演も、朝の集合から夜の撤収まで、一日の拘束が長くなります。加えて、スタジオやホールは食事のできる場所から離れていることが少なくありません。全員が外へ出て、席に着いて、戻ってくる。その往復の時間を、現場は持っていません。
出演者の場合はさらに条件が重なります。衣装のまま外へ出られない。メイクを崩せない。人目に触れる場所へ移動できない。控室の中で食事が完結する必要があります。
時間が読めないという、いちばんの前提
現場の食事をむずかしくしているのは、人数でも予算でもなく、時刻が動くことです。
一時間押すことがあります。逆に、巻いて早く終わることもあります。休憩が十分だけになることもあれば、待ち時間が急に一時間空くこともある。決まった時刻に温かい料理を出す、という設計そのものが成り立ちません。
そこで現場のケータリングは、進行に合わせるのではなく、進行から独立させる方向で組みます。先に整えておいて、あとは各自のタイミングに預ける。これが基本の型です。
「芸能人のケータリング」で調べられていること
ケータリング 芸能人、ケータリングとは 芸能人。こうした言葉で検索される方も多くいらっしゃいます。楽屋には何が置かれているのか、という関心です。
実際のところ、豪華さで驚かせるものは多くありません。中心にあるのは、おにぎり、サンドイッチ、個包装の惣菜、飲み物、そして甘いもの。選ばれているのは、料理そのものよりも「食べやすさ」です。
差し入れとして届く手土産と、制作会社が発注するケータリングは、役割が分かれています。差し入れは気持ちを伝えるもの。ケータリングは現場を動かし続けるためのもの。同じ楽屋に置かれていても、目的が違います。
時間帯別の型。早朝・昼・夜・深夜で置くものは変わる
現場の食事は、時間帯によって役割が変わります。以下は制作現場で一般的に取られている型を整理したもので、決まった献立表ではありません。会の性格や人の構成によって、当然変わります。
| 時間帯 | 現場の状態 | 向く食事 | 温度と量の考え方 |
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| 早朝入り | 集合直後。まだ食べていない人が多い | パン、おにぎり、スープ、果物 | 温かい飲み物を厚めに。量は控えめにして回数で足す |
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| 昼 | いちばん人が動く。交代で短く食べる | 個包装の主食と主菜、サラダ | 温かいものと冷たいものを分けて置く。人数分と予備 |
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| 夜 | 疲れが出る。しっかり食べたい時間帯 | 温かい主菜、汁気の少ないご飯もの | 保温を効かせる。全体を厚めに用意する |
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| 深夜 | 残る人数が絞られる。重いものは進まない | 軽い麺、スープ、温かい飲み物、甘いもの | 温かさそのものが価値になる。残る人数に合わせる |
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この表で押さえておきたいのは、深夜になるほど量ではなく温度が効いてくるという点です。
夜が更けた現場で、温かい汁物がひとつ置かれている。それだけで空気が変わることがあります。量を増やすより、湯気の立つものをひとつ確保するほうが、現場では届きます。
反対に早朝は、食べられない人がいます。集合直後は胃が受けつけないという方が一定数いらっしゃるため、量を揃えるより、飲み物と軽いものを長く置いておくほうが無駄が出ません。
現場で喜ばれる5つの条件
現場から評価されるケータリングには、共通する条件があります。五つに整理します。
1. 片手で食べられる
台本、機材、無線機。現場では、たいてい片手がふさがっています。両手と平面が要る食事は、置かれていても手が伸びません。串、カップ、包み。持ったまま口に運べる形が中心になります。
2. 匂いが強くない
控室は密閉された空間です。衣装にも髪にも匂いが移ります。にんにく、香りの強い香辛料、揚げたての油。これらは味としては歓迎されても、楽屋という条件のもとでは避けられます。
3. 温かいものと冷たいものが、両方ある
現場の人は、それぞれ違う時間に食べます。同じ献立でも、温かいものだけだと冷めてから来た人が損をする。冷たいものだけだと、夜の現場が持ちません。温冷を分けて置くことが、時間差への答えになります。
4. 個包装で、衛生が保てる
大皿に取り分ける形は、人の出入りが多い現場には向きません。取り箸の管理がむずかしく、置かれている時間も長くなるためです。ひとつずつ包まれていれば、誰がいつ取っても衛生が保たれ、余ったものの扱いも明確になります。
5. 補充できる
現場の人数は動きます。想定より増えることも、待機組が入れ替わることもある。一度に出し切らず、補充の余地を残しておく設計が、現場では効きます。私たちも立食の会では、少し余るくらいの量を目安に予備を持参しています。
この五つは、料理人から見れば制約です。けれど制約の中でこそ、何を残して何を諦めるかがはっきりします。
出演者向けとスタッフ向けは、求めるものが違う
同じ現場でも、出演者とスタッフでは求めるものが分かれます。ひとつの献立で両方を満たそうとすると、どちらにも届かないことがあります。
| 項目 | 出演者向け | スタッフ向け |
|---|
| 食べる場所 | 控室・楽屋の中 | 現場の隅、機材の脇 |
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| 食べる時間 | 出番の合間。短く、断続的 | 交代制。さらに短い |
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| 重視されること | 匂いが残らない、量を調整できる | 量がある、すぐ食べられる |
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| 向く形 | 一口サイズ、選べる、個包装 | 主食が中心、片手で持てる |
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| 配慮すべき点 | アレルギー、体調、衣装 | 人数の読み違い |
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出演者向けは「選べること」、スタッフ向けは「足りること」。この二語で分けて考えると、手配の判断が速くなります。
なお、アレルギーや苦手な食材については、事前に共有していただければ献立へ反映できます。ただし宗教上の食事対応は実施しておりません。ここは正直にお伝えしています。
制作会社が発注するときの実務
ここからは、手配する側の話です。ご相談の際に、実際に決めていく項目を並べます。
人数の変動と、時間の変更
現場の発注でもっとも動くのが人数です。Na Team Lab では、人数が増える場合は前日のご連絡でも対応しています。減る場合は、キャンセルポリシーに沿った取り扱いになります。開催日から7日以内のキャンセルは、料金の100%を頂戴することが多くなります。
時間の変更については、搬入と撤収の時刻を先に決めておくと動かしやすくなります。会場の退出時刻が厳しい現場では、その時刻から逆算して撤収を組みます。器も道具も、持ち込んだものはすべて引き上げます。ご担当者様の側に、片付けの作業は残りません。
書類と支払い
- 見積書:正式発注の前に、社内稟議・予算取り用としてお出しできます
- 請求書:インボイス(適格請求書)に対応しています
- 領収書:宛名と但し書きのご指定に対応できます
請求書の宛名分割にも対応しています。複数社が関わる制作では、分けて発行したいというご依頼が実際にあります。
お支払いは銀行振込と現金(当日払い)です。初回は事前振込または当日のお支払い、二回目以降は月末締め・翌月末払いでの対応も可能です。クレジットカード・電子決済には対応しておりません。
なお、飲食費をどの勘定科目で処理するかは、支出の内容や貴社の状況によって変わります。この記事で断定はいたしません。判断は顧問税理士、または所轄の税務署にご確認ください。
会場で先に確認しておくこと
現場の条件は、事前に共有していただけると設計が変わります。私たちが見るのは、基本的に水まわりと冷蔵まわりの二点です。この二つが整っていれば問題ありません。整っていない場合は、無いことを前提に準備して持ち込みます。
- 火が使えるか(使えない場合は機材を持ち込みます)
- 水道・シンクが使えるか
- 冷蔵設備の有無
- 搬入経路と、台車が使えるか
- 料理を置ける長机とスペースの広さ
- 撤収の締切時刻
搬入については、会場ごとに制約はあるものの、大きな支障になることは多くありません。大型の建物では、台車を使う搬入用に裏口やサービス用のエレベーターが別に用意されていることがあります。
現場に置かないほうがよいもの
条件の裏返しとして、現場に向かないものもはっきりしています。
- 香りの強いもの:にんにく、香辛料の効いたもの。控室に匂いが残ります
- こぼれやすい汁物:機材と衣装の近くでは扱いにくくなります
- 崩れやすいもの、粉が落ちるもの:手元と床が汚れ、衣装にも付きます
- アレルギー表示のないもの:誰が食べるか分からない場に置かれるためです
- 夏場の生もの:温度と時間の管理がむずかしくなります
最後の一点は、私たちが特に線を引いているところです。夏のご依頼では、生ものや現地で火を入れないもの、鮮度の落ちやすい魚介類は極力避けています。運搬は保冷剤を入れた保冷バッグを基本とし、長時間になる場合は冷凍で持ち込む、移動式冷蔵庫を使うなど、現場の条件に合わせて選んでいます。
また、お出しした料理の残りをお持ち帰りいただくことはしていません。 温度と時間の管理ができなくなるためです。現場では「あとで食べたい」というお声が出やすい場面だと思いますので、あらかじめお伝えしておきます。お土産をご希望の場合は、持ち帰り用に用意した瓶詰めの王のティラミスを別途ご用意できます。
現場に合わせて設計するということ
ここは、正直に書きます。Na Team Lab には、撮影スタジオでの案件経験がまだありません。 ですので「ロケ現場に慣れています」とは申し上げません。
そのうえで、進行の読めない現場に対して私たちが持っている答えを書きます。
先に整えておく、という設計
ビュッフェ形式では、料理を先に出し切っておくのが基本です。はじまりの時刻に合わせて全体を整え、そこから先は現場のものになる。
この設計であれば、進行が三十分押しても、料理の側に問題は起きません。一皿ずつ運ぶコースは、提供のタイミングが進行と噛み合っている必要があります。けれど先に整えたものは、人が来た瞬間から食事の時間になる。時刻が動く現場に強いのは、この構造によるものです。
会の性格によっては、「先に整えておく皿」と「人が集まってから仕上げる皿」を分けて組むこともできます。目の前で切り分ける一皿があれば、そこだけは出来たての熱が生まれます。
設備が足りないことを、前提にする
会議室やスタジオには、火も水もないことがあります。私たちは調理機材も持ち込みますので、現地に何があり何がないかを先に共有していただければ、足りない分は持参して組み立てます。年間200件を超える出張の中で、整っていない台所には何度も立ってきました。
仕込みはすべて自社店舗の厨房で行っています。飲食店営業許可と菓子製造業許可を取得しており、川原とスタッフはいずれも食品衛生責任者の資格を持っています。当日は食品にも使えるアルコール製剤を持参し、器具と作業面を消毒しながら進めます。まな板が一枚しかない現場では、野菜、生で食べられる魚介、火を入れる魚介、肉という順に、洗浄をはさみながら下処理を進めます。道具を増やすのではなく、手順で交差汚染を断つという考え方です。
Na Team Lab の出張料理・ケータリングは、17名さま以上はビュッフェ形式で、お一人 8,000円から。着席のコース形式は6〜16名さまで、お一人 15,000円から、ワインペアリング付きは22,000円承っています。1回のご依頼につき 90,000円からが下限で、いずれも税・サービス料・出張費込みの金額です。対応エリアは基本的に東京都内、都外や遠方も別途ご相談で承っています。
ご相談は2週間前までを目安にお願いしています。時間帯については、深夜や早朝を含めて、まずご相談いただければと思います。現場の条件を先に伺えれば、その条件に合わせて組み立て直せます。
ご相談は、公式LINEにてお受けしています。
まとめ
- 楽屋ケータリングとは、撮影や公演の現場で出演者とスタッフに提供する食事です。拘束時間が長く、外に出られない現場のために用意されます
- 現場側の条件は三つ。いつでも食べられること、片手で食べられること、温度が保てること
- 時間帯で役割が変わります。早朝は軽く長く置く、昼は温冷を分ける、夜は厚めに、深夜は量より温度
- 喜ばれる条件は、片手で食べられる/匂いが強くない/温冷が両方ある/個包装/補充できる、の五つ
- 発注では人数の変動と撤収時刻を先に決めます。見積書・請求書・領収書に対応し、増員は前日のご連絡でも承ります
よくある質問
楽屋ケータリングは何名から頼めますか?
着席のコース形式は6名さまから16名さままで、17名さま以上はビュッフェ形式でお一人8,000円から承っています。1回のご依頼につき90,000円からが下限です。現場の人数が読みきれない場合は、多い側の見込みでご相談ください。
深夜や早朝の現場にも対応してもらえますか?
時間帯については、まずご相談いただければと思います。搬入と撤収の時刻から逆算して段取りを組むため、その二つを先に共有していただけると判断が早くなります。会場の退出時刻に制約がある場合も、その時刻に合わせて撤収します。
当日になって人数が変わった場合はどうなりますか?
人数が増える場合は、前日のご連絡でも対応できます。減る場合はキャンセルポリシーに沿った取り扱いとなり、開催日から7日以内のキャンセルは料金の100%を頂戴することが多くなります。参加者の傾向を事前に伺えると、量の読み違いが減ります。
大切な現場の前に、料理と運営を確かめる。
制作担当者様や責任者の方と、恵比寿の店舗で1〜8名様の体験ランチをご利用いただけます。
