パーティーを開くことは決まった。日取りも場所も押さえた。けれど、招待状の一行目で手が止まる。「謹んでご案内申し上げます」では堅すぎる気がするし、「ぜひ来てください」では軽すぎる気もする。
招待状は、文才が問われる書きものではありません。書くべき項目が決まっていれば、文面は十分ほどで整います。
私は東京・恵比寿で一日ひと組の店を営みながら、ご自宅やタワーレジデンスのパーティールームにも伺っています。料理をお出しする側にいると、招待状に何が書かれていたかが、当日の空気にそのまま出ることが分かります。この記事では、必ず書く五項目と文例をお伝えしたうえで、店側から見た「書いておくと当日困らないこと」を添えます。
結論:パーティーの招待状には、日時、場所、会費、服装、返信の期限の五つを書きます。 そのうえで、アレルギーの申告先、飲み物の持ち込みの可否、開始時刻と食事が始まる時刻を添えておくと、当日の問い合わせと遅刻が減ります。 フォーマルな会は封書かPDF、親しい方を招く会はメールやLINEで構いません。 返信の期限は、店へ人数を伝える日より手前に置いてください。その一点だけで、招待状は機能します。
招待状に必ず書く五項目
まず、これだけは外せないという五つです。
| 項目 | 書き方の目安 |
|---|---|
| 日時 | 開始と終了の両方。所要時間が分かると予定を組みやすい |
| 場所 | 会場名・住所・最寄駅まで。地図のリンクがあれば添える |
| 会費 | 金額と集め方。主催者負担なら「お支払いはございません」と明記 |
| 服装 | 平服か、きちんとした装いか。会場の雰囲気を一言添える |
| 返信の期限 | 日付で書く。「今月中」ではなく「◯月◯日(金)まで」 |
五つのうち、いちばん抜けやすいのは服装です。そして、受け取った側がいちばん気にするのも服装です。書かれていないことは、相手の側では「聞きにくいこと」に変わります。
返信の期限も、日付で書いてください。期限を書かずに送ると、返信は当日の朝まで散らばります。
当日困らないために、書いておくとよいこと

ここからが、料理をお出しする側から見た話です。五項目を満たした招待状でも、当日に小さな混乱が起きることがあります。その多くは、次の四つを書いておけば防げます。
アレルギーは「申告先」まで書く
「アレルギーのある方はお知らせください」と書かれた招待状をよく見ます。けれど、誰に、いつまでに知らせればよいかが書かれていないことが多いのです。
参加者は主催者に気を遣って、言わないまま当日を迎えます。そして当日、席に着いてから小声で申し出ることになります。
ですから、こう書いてください。「アレルギー・苦手な食材のある方は、◯月◯日までに私あてにお知らせください」。申告先と期限を添えるだけで、申し出やすさが変わります。
Na Team Lab では、ご予約の際にアレルギーと苦手な食材、それからお好みの食材を伺い、対応できることはできる限りコースに反映しています。早めにいただければ、代替の一皿を組む余地も生まれます。
飲み物を持ち寄れるかどうか
誕生日や記念日の会では、「お祝いに一本持っていきたい」と考える方がいらっしゃいます。ところが、持ち込めるかどうかが分からないと、その方は手ぶらで来るか、当日になって尋ねることになります。
持ち込みができる会なら、招待状に書いてしまうのがいいと思います。 「お好きな一本をお持ちいただけます」の一行です。
Na Team Lab では、ワインの持ち込み料をいただいていません。本数の上限もありません。 これは恵比寿の店だけの条件ではなく、港区や丸の内などの手配会場で開く場合も同じです。会場が変わっても、持ち込みの条件は変わりません。持ち込むワインのリストを事前に共有いただければ、その日限りのワインに合わせてコースを仕立てます。
反対に、持ち込みができない会場であれば、それも書いておいてください。書かれていないことは、期待されてしまいます。
開始時刻と、食事が始まる時刻は別
これは、ほとんどの招待状に書かれていません。けれど、遅刻をいちばん減らす一行です。
実際のパーティーは、こう動きます。
1. 開始の15分前から入場できるようにする
2. 参加者の受付をする
3. 受付が終わった方から、ウェルカムドリンクをお渡しする
4. 人数がある程度集まった段階で、主催者の挨拶、そして乾杯
5. その後、2杯目のドリンクを取ったり、料理を取ったりが始まる
19時に乾杯するなら、その前に受付の時間を設けます。案内した開始時刻より前に乾杯を済ませないことも大切です。受付と乾杯の時刻を分けて伝えると、参加者が余裕を持って到着できます。
ですから、招待状にはこう書いてください。「18時45分より受付、19時に乾杯」。二つの時刻を書くだけで、参加者は何時に着けばよいかを正確に判断できます。
場所は、駅からの道順まで
会場名と住所だけでは、たどり着けないことがあります。とくに、表通りに看板を出していない店や、レジデンスの共用部を使う会では、迷う方が出ます。
最寄駅からの徒歩分数と、地図のリンクを添えてください。タクシーで来られる方のために、会場名で指定できるかどうかも書いておくと親切です。
Na Team Lab の恵比寿の店であれば、恵比寿駅から徒歩約8分、広尾駅からは徒歩約10分です。タクシーでお越しになるお客様もいらっしゃいます。レジデンスのパーティールームを使う会では、入館の方法そのものを書いておく必要があります。
文例:フォーマルな会(祝賀会・お披露目)
叙勲のお祝い、出版記念、お披露目の会などで使える形です。縦に項目を並べると、一目で必要な情報が届きます。
謹んでご案内申し上げます
このたび、◯◯の節目を迎えることとなりました。
日ごろお世話になっている皆さまに感謝をお伝えしたく、
ささやかな席を設けたいと存じます。
ご多用のところ恐縮ですが、ご出席いただけますと幸いです。
日時 ◯月◯日(◯) 18時45分受付/19時乾杯/21時お開き
会場 ◯◯(東京都渋谷区◯◯)
◯◯駅より徒歩8分 [地図]
会費 お一人◯◯円(当日受付にて現金でお納めください)
装い 平服でお構いございません(レストランでの着席の会です)
ご出欠は、◯月◯日(◯)までに、本状の連絡先までお知らせください。
アレルギー・苦手な食材のある方は、あわせてお教えいただけますと助かります。
◯◯◯◯(連絡先:◯◯)
挨拶は三行までにとどめます。長い前文は読まれません。
「平服でお構いございません」と書く場合は、その後ろに会場の性格を一言添えてください。平服という言葉が指す範囲は、人によってかなり違います。
文例:カジュアルな会(誕生日・記念日・友人の集まり)
親しい方を招く会では、形式を崩して構いません。ただし、項目は減らさないでください。 くだけた文面でも、五項目と当日の段取りは残します。
◯◯の誕生日に、みなさんで食卓を囲みたいと思っています。
お時間があれば、ぜひ来てください。
◯月◯日(◯)
18時45分ごろから集まって、19時に乾杯
21時ごろお開きの予定です
場所:◯◯(◯◯駅から徒歩8分です)[地図]
会費:お一人◯◯円(当日、現金でお願いします)
服装:いつもどおりで大丈夫です。レストランなので、少し綺麗目な方が多いかもしれません
ワインの持ち込みができるお店なので、
お好きな一本があればお持ちください。
苦手な食材やアレルギーがあれば、◯月◯日までに教えてください。
出欠も同じ日までにお返事をいただけると助かります。
文末を柔らかくしても、日付と時刻と期限は正確に書く。ここが崩れると、くだけた招待状は機能しません。
メール・LINEで送るとき
私的なパーティーの招待状は、メールやLINEでも問題ありません。実際、会の性格によってはそのほうが届きます。
送り方で押さえておきたいのは三つです。
- 件名に日付を入れる ― 「◯月◯日(金)◯◯のお祝いのご案内」。後から探せる
- 本文を長くしない ― 挨拶二行、項目を縦に並べる、最後に期限
- できれば個別に送る ― 一斉送信より、個別のほうが返信率が上がる
招待の範囲を絞る会では、招待状を送る前のひと声が効きます。何も伝えずにいきなり招待状が届くと、受け取った側を驚かせてしまうことがあります。会場を検討している段階で、「こういう会を考えています」と伝えておく。これは二次会の招待で指摘されている作法ですが、私的なパーティーにもそのまま当てはまります。
フォーマルな会で封書を用意する場合も、同じ内容をPDFにして先にお送りしておくと、相手は日程を押さえやすくなります。
返信の期限と、人数の確定
招待状の最後の一行、返信の期限について、もう少し詳しくお伝えします。
期限は、店へ人数を伝える日より手前に置いてください。 順番を逆にすると、締切後に人数が動いて、主催者の持ち出しが生まれます。
逆算は、こうなります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3〜4週間前 | 招待状を送る |
| 2週間前 | 店へ相談・予約の確定 |
| 8〜10日前 | 出欠の返信を締める |
| 7日前 | 店へ人数とアレルギーを連絡 |
この表は小規模な会の一例です。大きな祝賀会や結婚式の二次会はさらに早く案内します。返信の締切は一律ではなく、会場の人数確定日とキャンセル条件から逆算してください。
キャンセル料や人数変更の条件は、サービスや予約ごとに確認します。出欠の締切は、料金が発生する日や店への最終報告日より前に置いてください。
人数が増える場合も、席と食材の用意が必要です。直前の追加は必ず店へ相談し、対応の確認を取ってから参加者へ案内してください。
服装は、会場の格で伝わる
最後に、五項目のうちいちばん書きにくい「服装」について。
細かく指定する必要はありません。服装の格は、会場の格で決まります。 両家の顔合わせの場では、「フォーマルかカジュアルかは、開催する店や食事の内容によって変わるため、事前に具体的に伝えておくのがよい」とされています。これは私的なパーティー全般に通じる考え方です。
ですから、招待状に書くのは服装そのものではなく、会場と食事の内容です。
- 「レストランでの着席のコースです」
- 「立食形式の会です」
- 「ご自宅でのホームパーティーです」
この一行があれば、受け取った側は自分で判断できます。靴やバッグの種類まで指定する必要はありません。
ちなみに Na Team Lab のワイン会では、ドレスコードを特に設けていません。決まりはありませんが、少し綺麗目な装いの方が多いという実感があります。招待状にもそのまま書いていただいて構いません。「決まりはありませんが、少し綺麗目な方が多いです」。これがいちばん正直で、相手も迷いません。
まとめ
パーティーの招待状について、押さえておきたいことを整理します。
- 必ず書くのは日時、場所、会費、服装、返信の期限の五つ
- 加えて、アレルギーの申告先、持ち込みの可否、受付と乾杯の二つの時刻、駅からの道順を添える
- 開始時刻と食事が始まる時刻は別。「18時45分受付、19時乾杯」と二つ書く
- カジュアルな会でも項目は減らさない。文末を柔らかくするだけ
- メール・LINEで構わないが、できれば個別に送る。招待の範囲を絞る会は事前のひと声
- 返信の期限は、店へ人数を伝える日より手前に置く
- 服装は細かく指定せず、会場と食事の内容を書く
招待状は、会の案内である前に、当日の段取りを先に配る紙です。受け取った方が迷わずに当日を迎えられれば、その招待状は役目を果たしています。
パーティーのご相談は、公式LINEから
招待状を書く前の段階、「何人くらいでどんな会にできるか」というご相談から承っています。人数と日程をお送りいただければ、形式と会場をあわせてご案内します。招待状に書く受付時刻や乾杯の時刻も、ご一緒に決められます。
Na Team Lab のパーティーや出張料理の詳細については、公式LINEにてご案内しています。
よくある質問
会費はどう書けばよいですか?
金額と、集め方の両方を書きます。「お一人◯◯円、当日受付にて現金で」のように方法まで添えると、当日の受付が静かに進みます。主催者が負担する会であれば、「当日のお支払いはございません」と一行入れておくと、参加者は迷いません。
ドレスコードはどう書けばよいですか?
服装そのものを細かく指定するより、会場と食事の内容を書くほうが伝わります。服装の格は会場の格で決まるためです。「平服でお越しください」と添える場合は、どの程度を指すかが人によって違うため、会場の性格を一言足しておくと安心です。
招待しない方への配慮は必要ですか?
招待の範囲を絞る会では、事前のひと声が効きます。何も伝えずに招待状が届くと驚かせてしまうため、会場を検討する段階で伝えておくのがよいとされています。連絡はメールやLINEで構いませんが、できれば個別にお送りください。
ご依頼の前に、料理を確かめる体験ランチ。
法人ケータリングをご検討中の方へ、恵比寿の店舗で料理をご体験いただけます。担当者様・役員の方々もご一緒に。1〜8名様 / お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み / 約2時間・完全予約制。完全予約制・開始時間はご都合に合わせて調整。
法人ケータリングの体験ランチ
ご依頼前に、担当者様・役員の方を交えて。
1〜8名様・お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み体験ランチの詳細を見る

