SUMMARY

結論:懇親会の司会は、開会・挨拶・乾杯・歓談・中締め・閉会の6場面で進めます。 2時間の会なら、前半の3場面を12分で終え、歓談に80分を残す配分が収まりやすいです。 司会が覚えておくのは、各場面の役と、次に誰が話すかの二つだけで足ります。 料理の提供と会の区切りを合わせておくと、場が自然に次の場面へ移ります。 歓談の後半と締めの挨拶は、料理が動く時間です。ここに司会の合図を重ねてください。

あわせて、懇親会の乾杯は、30秒で、グラスの泡が消える前にと懇親会とは、関係を深めるために卓を囲む時間もご覧ください。

懇親会の進行に合わせて、厨房で料理人たちが皿に盛り付けている場面
司会の進行と料理の準備は、同じ時間の流れの中で動いています

研修のあとの懇親会で、司会を任された。部署の総会のあとに、取引先を招いた会がある。進行表を作ろうとしたものの、何分で何をするのかが決まらない。そういうところで、この記事をご覧になっているのではないでしょうか。

司会は、場を盛り上げる役ではありません。次に誰が話すかを決めて、場を渡していく役です。ですから、台本と時間配分が手元にあれば、当日は読むだけで済みます。

法人の懇親会に、料理をお出ししに伺っています。この記事では、6場面の進行と2時間の時間配分、各場面の台本を並べます。そのうえで、料理を出すタイミングと司会の合図をどう合わせるかを、お出ししている側からお伝えします。

懇親会の進行は6場面|2時間の時間配分

先に全体を置きます。2時間の会を想定した配分です。

場面時間話す人
開会の宣言0:00〜0:03司会
主催者の挨拶0:03〜0:08会を開く側の最上位の方
乾杯0:08〜0:12主催者に次ぐ役職の方、または来賓
歓談0:12〜1:30全員
中締め1:30〜1:40主催者または上位の方
閉会の案内1:55〜2:00司会

中締めと閉会のあいだの15分は、退席される方を送り、残る方は話を続ける時間です。ここを空けておかないと、中締めのあとに帰るきっかけを失った方が立ち尽くすことになります。

配分で大切なのは、前半の3場面を12分で終えることです。開会から乾杯までが20分を超えると、立っている参加者の集中が落ちます。挨拶を二人までに絞る。来賓の挨拶を入れる場合は、主催者の挨拶を短くする。この調整は、司会が事前に依頼するときに決めておきます。

歓談に80分を残せば、料理も会話も収まります。懇親会の目的は交流ですから、進行の時間を削って歓談に回すのが正しい方向です。

各場面の台本(セリフ例)

そのまま使える形で並べます。社名と部署名は、ご自身のものに置き換えてください。

開会の宣言

皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます。定刻となりましたので、これより懇親会を始めさせていただきます。進行を務めます、総務部の◯◯です。

本日は21時までのお時間をいただいております。お料理とお飲み物は会場の奥に用意しておりますので、どうぞご自由にお取りください。

開会で伝えるのは、終了時刻と料理の場所の二つです。この二つを先に言っておくと、歓談が始まってからの質問が減ります。

主催者の挨拶へ渡す

それでははじめに、本日の会を開きました、◯◯部長よりご挨拶を申し上げます。◯◯部長、お願いいたします。

渡すときは、役職と名前を言って、最後に「お願いいたします」で止めます。挨拶の内容を先に紹介しないでください。話す方の言葉と重なります。

乾杯の音頭へ渡す

ありがとうございました。続いて、乾杯の音頭を◯◯課長にお願いしております。皆さま、お手元のグラスをお持ちください。

グラスを持つよう先に案内するのが、司会の仕事です。音頭を取る方が「グラスをお持ちください」から始めると、話が二段になります。

歓談中のアナウンス

お食事はお進みでしょうか。奥の卓に、温かいお料理を追加でお出ししております。どうぞお取りください。

歓談中は、基本的に黙っていて構いません。マイクを持つのは、料理の追加、席の案内、終了時刻の予告という用があるときだけです。歓談を止めないことが、この時間の役目です。

中締め

皆さま、お話の途中で失礼いたします。お時間の都合でお帰りになる方もいらっしゃいますので、ここで一度、中締めとさせていただきます。◯◯部長より、一言お願いいたします。

(挨拶のあと)ありがとうございました。会場は21時まで空いております。お時間のある方は、もう少しお残りください。

中締めで要るのは、会がまだ続くと伝えることです。ここを言わないと、全員が帰り支度を始めます。

閉会の案内

皆さま、本日はありがとうございました。これをもちまして、懇親会をお開きとさせていただきます。

お忘れ物のないよう、お手元をお確かめください。二次会は、会場を出て右手の店にご用意しております。幹事の◯◯がご案内いたします。

閉会では、忘れ物と二次会の案内を入れます。乾杯の挨拶そのものの組み立ては、懇親会の乾杯の挨拶をまとめた記事に立場別の例文を書いています。

懇親会の立食で手に取りやすい、キャビアをのせた一口サイズのタルト
乾杯の時点で、フィンガーフードはすでに卓に出ています

立食と着席で変わること

形式が変わると、司会の仕事も変わります。

着席のコースなら、話を聞いてもらうことは簡単です。10名ほどまでであれば、マイクを使わずに立ったまま話せば、卓の端まで声が届きます。一方で、席が決まっているぶん、話す相手は隣と向かいに限られます。

立食のビュッフェなら、人は自分で相手を選べます。30名、70名という規模になると、基本はこの形式です。会話は立食のほうが生まれやすいと、私は感じています。統計ではなく、現場で見てきた実感です。ただし、マイクが要ります。全体に声を届ける場面では、原稿を手に持って読んでかまいません。人数が増えるほど、覚えて話すことの利点は小さくなります。

30名や70名の会で、どうしても着席のコースで、というご依頼にも対応できます。その場合は綿密な計画を組み、人手を揃えて回します。

司会として押さえておくことは、ひとつです。立食では、参加者が動いている。だから、話を始める前に「お話の途中で失礼いたします」の一言を置く。着席では要らない配慮ですが、立食では場を一度止める必要があります。

料理を出すタイミングと、司会の合図

ここからが、料理をお出ししている側からの話です。

料理が出る前に、司会が知っておくこと

乾杯の時点で、フィンガーフードやアミューズはすでに卓に出ています。つまり、乾杯の挨拶が始まる前から、料理は待っている状態です。

50名くらいまでの会では、最初からすべての料理を並べてしまうことがあります。先に出し切る設計にしておけば、進行が押しても料理の側に問題が出ません。品数を10品とした場合、最初に5品を出し、途中で残り5品を補充する形も取ります。会の性質と人数で使い分けています。

温かい料理については、挨拶が長引くことを前提に組んでいます。保温できる設備を持参する。あるいは、挨拶の直前にタイミングを見て火入れをする。ですから、司会の方は挨拶の長さを過度に心配しなくて構いません。

そのうえで、合わせられると場が整うタイミングが二つあります。

ひとつは、歓談の後半です。ビュッフェでは、メイン料理の反応がはっきり上がります。ローストビーフをお出しすることが多いのですが、これはすぐになくなります。追加をお出しする合図と、司会のアナウンスを合わせると、卓に人が戻ります。

もうひとつは、締めの挨拶です。締めの挨拶に合わせて、デザートをお出しすることもできます。王のティラミスをその場でご用意する形も可能ですが、これは事前にご依頼をいただけることが条件です。

主催者の方は、たいてい食べられません。会場を回しているためです。けれど、私が見ている限り、主催者が本当に望んでいるのは料理よりも参加者と話すことです。ですから料理とドリンクの補充は、こちらで預かっています。進行についても、ご相談をいただくことがあります。会を開き慣れていない主催者の方には、流れそのものをご案内することもあります。

法人のご依頼は、17名さま以上をビュッフェ形式で承っています。お一人8,000円〜。6〜16名さまは着席のコースで、お一人15,000円〜です。いずれも税・サービス料・出張費込みです。見積書と請求書の発行、宛名の分割にも対応しています。会計上の取り扱いについては、御社の経理担当の方にご確認ください。法人ケータリングのページに、形式ごとの考え方をまとめています。

時間が押したとき、トラブルのとき

進行は、たいてい押します。押したときの直し方を先に決めておいてください。

  • 挨拶が長引いた:歓談の時間から削ります。進行の場面を削ると、場が雑になります
  • 主催者の到着が遅れた:開会の宣言だけ先に行い、乾杯まで進めて構いません。挨拶は歓談の途中に入れます
  • 人数が想定より増えた:料理は少し多めに、余るぐらいを持参しています。司会は席の案内だけ足してください
  • 中締めのあとに人が残らない:会場が何時まで空いているかを、もう一度伝えます
  • 二次会の人数が読めない:閉会の案内で挙手を取らず、出口で幹事が受けます。全体を止めません

削ってよいのは、歓談の時間と閉会の案内の長さです。中締めを飛ばすのは避けてください。帰るきっかけを失う方が出ます。

もうひとつ、お酒についてお伝えしておきます。缶ビールと缶チューハイ、あとはノンアルコールという構成の会も、実際にあります。酒量を前提にしない会が成立するということです。司会の言葉で飲酒を促す必要はありません。

司会の準備チェックリスト

当日までに確かめること

  • 終了時刻と、会場が何時まで使えるか
  • 挨拶を依頼する方の氏名、役職、読み方
  • 乾杯の音頭を誰が取るか(主催者の挨拶と分けておく)
  • 中締めを誰に頼むか
  • マイクの有無と、立ち位置から料理の卓が見えるか
  • 料理の形式(着席かビュッフェか)と、追加を出すタイミング
  • 二次会の場所と、案内する人

この七つが埋まっていれば、台本は30分で書けます。ご依頼は平日の夜、または土日が中心です。業務時間内の会は、私たちの経験では多くありません。進行の相談も含めて承っていますので、公式LINEからお声がけください。

案内メールの書き方と出欠の取り方は、懇親会の案内メールの記事にまとめています。

懇親会の歓談の後半に追加でお出しする、焼き上げた牛肉を切り分ける手元
追加の合図と司会のアナウンスを合わせると、卓に人が戻ります

まとめ

懇親会の司会は、話術ではなく段取りの仕事です。

  • 進行は、開会・主催者の挨拶・乾杯・歓談・中締め・閉会の6場面です
  • 2時間なら、前半の3場面を12分で終え、歓談に80分を残します
  • 中締めのあとに15分を空け、帰る方と残る方を分けます
  • 渡すときは役職と名前だけ。挨拶の内容を先に紹介しません
  • 歓談中は黙っていて構いません。用があるときだけマイクを持ちます
  • 立食では、話す前に場を一度止める一言を置きます
  • 料理は先に出す設計にしてあるので、挨拶の長さを過度に心配しなくてよいです

台本が書けたら、終了時刻と挨拶の依頼先だけ、もう一度確かめてください。この二つが固まっていれば、懇親会の司会は当日に迷いません。

よくある質問

懇親会の司会は誰がやるのですか?

幹事が兼ねる形が多いようです。ただ、幹事は受付や会計も持つため、司会だけを別の方に分けると前半が楽になります。主催者が挨拶をして、司会は進行だけを担う組み方が落ち着きます。

歓談中の司会は何をすればよいのですか?

基本は黙っていて構いません。料理の追加や席の案内、終了時刻の予告など、全体に伝える用があるときだけマイクを持ちます。歓談を止めないことが、歓談の時間の役目です。

中締めと締めの挨拶は何が違うのですか?

中締めは、途中で退席される方のための区切りです。ここで手締めを入れ、会そのものは続けます。締めは会の終わりの挨拶で、二次会や忘れ物の案内まで含めて閉じます。

懇親会の司会の時間配分はどうすればよいですか?

2時間の会なら、開会・主催者の挨拶・乾杯の前半3場面を12分で終え、歓談に80分を残す配分が収まりやすいです。中締めのあとに15分を空けておくと、帰る方と残る方を自然に分けられます。

懇親会で挨拶が長引いて時間が押したらどうすればよいですか?

歓談の時間から削ります。進行の場面を削ると場が雑になるためです。中締めを飛ばすのは避けてください。帰るきっかけを失う方が出ます。

Na Team Lab オーナーシェフ 川原壯太
ABOUT NA TEAM LAB Na Team Lab|株式会社Na Team

東京・恵比寿を拠点に、出張料理・店舗貸切・料理教室・ワイン会を展開。料理、ワイン、空間、その日の時間までを設計し、食を通して心に残る体験をつくっています。

執筆:(オーナーシェフ)。年間200件を超える出張料理・会食の経験をもとに、現場の視点をお伝えします。

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Na Team Lab|東京・恵比寿

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