結論:懇親会の乾杯の挨拶は、30秒から1分で足ります。 組み立ては、名乗る・会の趣旨・ひと言の願い・発声の四つだけです。 締めの挨拶は、感謝と次回への一言、それに一本締めか三本締めを添えます。 話す順番は、開会・乾杯・中締め・締めの四つ。誰がどこで話すかを先に決めておけば、原稿は短く済みます。 料理をお出ししている側から見ると、乾杯が長引くほど、グラスの泡と料理の温度が落ちていきます。
あわせて、懇親会とは、関係を深めるために卓を囲む時間と忘年会の挨拶は、三十秒でいい 立場別の文例集もご覧ください。

懇親会で乾杯の挨拶を頼まれた。会場も日程も決まっているのに、自分が何を話すかだけが決まらない。そういう状態で、この記事をご覧になっているのではないでしょうか。
挨拶は、うまく話す必要のあるものではありません。順番と、長さと、入れる要素が決まっていれば、あとは言葉を並べるだけです。
法人の懇親会に、料理をお出ししに伺っています。この記事では、懇親会の乾杯の挨拶の例文を、上司・幹事・来賓・新人という立場別に並べます。あわせて話す順番、締めの挨拶と手締め、避けたい言い回しをまとめます。最後に、料理をお出ししている側から見た乾杯のタイミングをお伝えします。
懇親会の挨拶の順番
先に全体の順番を置きます。ここが決まると、誰が何を話すかも決まります。
基本の順番
- 開会の宣言(司会・幹事)
- 主催者の挨拶(会を開く側の最上位の方)
- 来賓の挨拶(取引先や外部の方がいらっしゃる場合)
- 乾杯の挨拶と発声
- 歓談
- 中締め(途中で退席される方が出る前)
- 締めの挨拶と手締め
- 閉会の案内(二次会の有無、忘れ物、次回の予定)
このうち、3と6は会によって省かれます。社内だけの懇親会であれば、2・4・7の三つで足ります。
研修後の懇親会や総会のあとの会では、会そのものが本編の延長として受け取られます。開会の宣言を長くせず、すぐに主催者の挨拶へ移るほうが場が締まります。
主催者の挨拶と、乾杯の音頭は分ける
ひとつ、進行が整う組み方があります。主催者の挨拶と、乾杯の音頭を別の人が担うことです。
主催者が会の趣旨を話し、主催者に次ぐ役職の方が乾杯の音頭を取る。この形にすると、前半で二人が話す機会を持てます。来賓がいらっしゃる会では、乾杯の音頭を来賓にお願いすることもあります。
逆に、一人が挨拶から発声まで続けると、話が長くなりがちです。趣旨を語ったあとにもう一度盛り上げ直す必要が出てくるためです。
懇親会そのものの位置づけと企画の考え方は、懇親会とはどういう会かという記事にまとめています。
乾杯の挨拶の組み立て|四つの要素
乾杯の挨拶に入れる要素は、四つだけです。
- 名乗る:所属と名前。社外の方がいる会では、所属を先に
- 会の趣旨:なぜ今日集まったのか。一文で
- ひと言の願い:この時間がどうなればよいか。一文で
- 発声:「乾杯」
この四つ以外を入れようとすると、長くなります。業績の報告、個々人への謝辞、今後の方針。どれも大切ですが、乾杯の場では削ってください。歓談の時間に、相手の前で直接伝えるほうが届きます。
原稿は、三行で作ると早く決まります。
- 一行目に、名乗りとお集まりへの感謝
- 二行目に、この会の趣旨をひとつだけ
- 三行目に、発声
この三行を書いてから、間をつなぐ言葉を足していきます。先に全部書いてから削るより、短く作って足すほうが、30秒の中に収まります。
立場別の例文
そのまま使える形で並べます。社名・部署名は、ご自身のものに置き換えてください。
上司・役職者の立場から
営業部の◯◯です。本日はお忙しいなかお集まりいただき、ありがとうございます。
この半年、各自がそれぞれの持ち場で動いてきました。今日は、普段メールでしか名前を見ない人と、顔を合わせて話していただきたいと思います。
堅い話は明日からにして、今夜はどうぞ楽にお過ごしください。それでは、皆さまのご健勝を願って。乾杯。
幹事の立場から
幹事を務めます、総務部の◯◯です。本日はご参加いただきありがとうございます。
この会は、部署を越えて話すきっかけになればという趣旨で開きました。お料理は立食で用意しています。席は決めていませんので、どうぞご自由に動いてください。
それでは、本日の会の成功を願って。乾杯。
幹事が乾杯まで務める場合は、会場の案内を挨拶の中に入れてしまうのが効率的です。食事の形式、席の扱い、終了時刻。この三つを伝えておくと、歓談が始まってからの質問が減ります。
来賓・取引先の立場から
ご紹介いただきました、株式会社◯◯の◯◯です。本日はお招きいただき、ありがとうございます。
御社とは三年のおつき合いになります。こちらの無理なお願いにも、いつも正面から向き合っていただきました。今日は、普段お会いできない方々ともお話しできることを楽しみにしてまいりました。
それでは、御社のますますのご発展を願って。乾杯。
来賓の立場では、関係の長さをひとつ添えると場が和みます。初めて顔を合わせる方が席にいるためです。実績や数字を並べる必要はありません。
新人・若手の立場から
本年入社の◯◯です。このような場でご挨拶させていただき、緊張しております。
配属から半年、分からないことばかりでしたが、周りの方に何度も助けていただきました。今日は、普段ご一緒する機会のない方にも、ぜひお声がけさせてください。
それでは、乾杯の音頭を取らせていただきます。乾杯。
若手が音頭を取る場合は、整えすぎないほうがよく届きます。 言いたいことを三つだけ並べる形で十分です。緊張していることを先に言ってしまうのも、ひとつの手です。
内定者が集まる会については、内定者懇親会の企画についての記事に、人数と形式の組み方を書いています。

締めの挨拶の例文と、一本締め・三本締め
締めの挨拶で効くのは、次の約束を口に出すことです。会が一度きりで終わらなくなります。
本日はお忙しいなかお集まりいただき、ありがとうございました。
普段話す機会のない方同士が話されている様子を見て、開いてよかったと思っております。今日お聞きしたお話を、それぞれの持ち場に持ち帰っていただければ幸いです。
次は年明けに、同じ形で集まりたいと考えています。それでは、お手を拝借。よーっ。
中締めを入れる場合は、もっと短くします。
宴もたけなわですが、ここで中締めとさせていただきます。このあともお時間のある方は、どうぞごゆっくりお過ごしください。
一本締め・三本締め・一丁締めの違い
手締めは、呼び名が混同されやすい部分です。一般に、次のように区別されます。
| 呼び名 | 手を打つ形 |
|---|---|
| 一本締め | 「三・三・三・一」の手拍子を一度 |
| 三本締め | 「三・三・三・一」の手拍子を三度 |
| 一丁締め(関東一本締め) | 「よーっ」のあと、手を一度だけ |
「一本締めで」とお願いしたのに、手を一度打って終わってしまう。この取り違えが起きやすいので、どの形で締めるかを先に伝えておくと揃います。
音が響く会場では、一丁締めのほうが収まりがよいこともあります。周囲に他のテナントが入っているビルでは、短い形を選んでおくほうが無難です。
長さと、料理が冷めないタイミング
ここは、料理をお出ししている側からお伝えできることです。
乾杯の時点で、料理はもう出ています
主催者の方から、「挨拶が長くなると料理が冷めませんか」と聞かれることがあります。心配していただかなくて大丈夫です。
私たちは、挨拶が長引くことを前提に段取りを組んでいます。温かいものについては、保温できる設備を持参するか、挨拶の直前にタイミングを見て火入れするかのどちらかです。乾杯の時点で卓に出すフィンガーフードやアミューズは、あらかじめ用意しておきます。
50名くらいまでの会であれば、最初から料理をすべて並べてしまうこともあります。先に出しておく設計なら、進行が押しても料理の側に問題が出にくいからです。
ですから、挨拶の長さを料理の都合で削る必要はありません。短くするとしたら、それは聞いている方のためです。
ただ、こちらで止められないものが一つあります。注がれたグラスの泡です。 炭酸は、注いだ瞬間から抜けていきます。乾杯の前に長い話が入ると、グラスを持った手が疲れ、泡も静かになっていきます。30秒という目安は、この二つのためだと考えてください。
進行そのものについてご相談をいただくこともあります。会を開き慣れていない主催者の方には、これまでの現場で見てきた流れをご案内することもあります。誰がいつ話すかだけ決まっていれば、料理の側はそこに合わせられます。
締めの挨拶に合わせて、王のティラミスをお出しすることもできます。話が終わったところでデザートが入ると、会の区切りがきれいにつきます。ただし、この段取りは事前にご依頼いただくことが前提です。当日その場では組めません。
立食か着席かで、挨拶の形が変わります
人数によって、料理の形式が変わります。そして形式が変わると、挨拶の形も変わります。
- 10名ほどまで:着席のフルコースで対応できます。立ったまま話せば、卓の端まで声が届きます
- 30名、70名の規模:基本はビュッフェ形式になります。挨拶にはマイクが必要です
- どうしても着席のコースで、というご依頼にも対応できます。綿密な計画を組み、人手を揃えて回します
マイクを使う場合は、原稿を手に持って読んでかまいません。人数が増えるほど、覚えて話すことの利点は小さくなります。
もうひとつ、形式の話を続けます。会話は立食のほうが生まれやすいと、私は感じています。統計ではなく、現場で見てきた実感です。席が決まっていないぶん、話す相手を自分で選べるからだと思います。名刺交換のある会では、一口で食べきれる大きさにして、手が塞がらない形で出しています。料理に人が集中する場合は、二か所に分けて配置することもあります。
主催者の方は、たいてい食べられません。けれど、私が見ている限り、主催者が本当に望んでいるのは料理よりも参加者と話すことです。ですから料理とドリンクの補充は、こちらで預かっています。主催者の方は、場をつくることに専念していただいて構いません。
お酒についても、ひとつお伝えしておきます。缶ビールと缶チューハイ、あとはノンアルコールという構成の会も、実際にあります。酒量を前提にしない会が成立するということです。挨拶で飲酒を促す言葉を入れなくてよいのは、この点からも言えます。
法人のご依頼は、17名さま以上をビュッフェ形式で承っています。お一人8,000円〜。6〜16名さまは着席のコースで、お一人15,000円〜です。いずれも税・サービス料・出張費込みです。見積書と請求書の発行、宛名の分割にも対応しています。会計上の取り扱いについては、御社の経理担当の方にご確認ください。法人ケータリングのページに、形式ごとの考え方をまとめています。ご相談は公式LINEから承っています。
避けたい言葉
お祝いの席ではありませんが、懇親会の挨拶にも、避けておくほうがよい言い回しがあります。マナー違反と断定するものではありませんが、代わりの言い方があるなら選んでおくほうが無難です。
| 避けたい言い回し | 言い換え |
|---|---|
| ご苦労さまでした(目上の方へ) | お疲れさまでした・ありがとうございました |
| 飲める方はどんどん | どうぞご自由にお過ごしください |
| 最後に・終わりに(乾杯の挨拶で) | それでは・ここで |
| 個人名を挙げた功績の列挙 | (歓談の時間に直接お伝えする) |
| 社内の略語・専門用語(社外の方がいる会で) | どなたにでも通じる言葉に置き換える |
もうひとつ、よくある取り違えがあります。発声の前に「乾杯」と言ってしまうことです。「それでは乾杯したいと思いますので、乾杯」のような形になると、どこでグラスを合わせるか分からなくなります。「乾杯」は、最後の一語としてだけ置いてください。
長さについても、ひとつ。挨拶が長くなるいちばんの原因は、その場にいる全員に触れようとすることです。入れる話はひとつに絞ってください。
会社の年末の集まりについては、忘年会の挨拶の例文をまとめた記事も参考になります。

まとめ
懇親会の乾杯の挨拶は、順番と長さが決まれば、中身は自然に決まります。
- 順番は、開会・主催者の挨拶・乾杯・歓談・中締め・締めの六つです
- 主催者の挨拶と乾杯の音頭は分けると、前半の流れが整います
- 乾杯の挨拶は、名乗る・趣旨・願い・発声の四つで足ります。30秒から1分が目安です
- 締めの挨拶には、次の約束をひとつ入れておきます
- 一本締めは「三・三・三・一」の手拍子を一度、三本締めは三度、一丁締めは手を一度だけです
- 料理の側は挨拶が長引く前提で段取りを組んでいます。長さは聞く側のために決めてください
- 「ご苦労さま」や飲酒を促す言葉、個人名を挙げた功績の列挙は避けておきます
原稿ができたら、一度声に出して時間を計ってみてください。30秒を超えていたら、入れた話をひとつ削る。それだけで、懇親会の乾杯の挨拶はまとまります。
よくある質問
懇親会の乾杯の挨拶は誰がするのですか?
決まりはありませんが、主催者が開会の挨拶をして、乾杯の音頭は主催者に次ぐ役職の方が取る形が多いようです。来賓がいらっしゃる会では、来賓にお願いすることもあります。二人で分けると、前半の流れが整います。
懇親会の挨拶の例文を教えてください。
「◯◯部の◯◯です。本日はお集まりいただきありがとうございます。この会が、部署を越えて話すきっかけになればと思います。それでは、皆さまのご健勝を願って、乾杯」。名乗る・趣旨・願い・発声の四つで足ります。
組合の懇親会ではどう挨拶すればよいですか?
社内の会と組み立ては同じですが、所属の異なる方が集まるため、名乗りに所属と役職を添えてください。会の趣旨は活動への感謝と次期への一言に絞ると、立場の違う参加者にも届きます。
懇親会の乾杯の挨拶はどのくらいの長さがよいですか?
30秒から1分が目安です。名乗る・会の趣旨・ひと言の願い・発声の四つに絞ると収まります。乾杯の前に長い話が入ると、グラスを持った手が疲れ、注がれた炭酸の泡も抜けていきます。
一本締めと三本締め、一丁締めの違いは何ですか?
一本締めは「三・三・三・一」の手拍子を一度、三本締めはそれを三度繰り返します。一丁締め(関東一本締め)は「よーっ」のあと手を一度だけ打つ形です。呼び名が混同されやすいので、どの形で締めるかを先に伝えておくと揃います。
会社の集まりを、シェフに任せる。
恵比寿のレストランのシェフチームが、オフィスや会場へ伺います。接待・役員会食は着席コースで、懇親会や周年行事は17〜100名様程度の立食・ビュッフェで。調理から後片付けまで任せられます。

