結論:成人式のお祝いの食事は、当日の夜なら移動の少ない場所で、祖父母も招くなら前撮りの日か後日にずらすのがおすすめです。 当日は着付けと式典と撮影が続き、本人がいちばん疲れています。 振袖や袴のまま店へ移動する前提で組むと、無理が出ます。 自宅で祝う形にすれば、着替えてから席に着けます。 お酒は20歳から。対象年齢が18歳の自治体では、ご本人に出せない点にご注意ください。
あわせて、お祝いの食事は、場所から決めると形になりますと七五三の食事会を、自宅で開くという選択もご覧ください。

成人式のお祝いに、家族で食事をしたい。そう考えて店を探しはじめると、すぐにひとつの壁に当たります。当日の夜は、どこも埋まっています。 そして予約が取れたとしても、本人が着物のまま移動できるかどうかという問題が残ります。
当日、ご本人は朝から動いています。着付け、式典、友人との再会、写真。家に戻ってきたとき、表情にはもう疲れが出ています。そこから電車に乗って店へ向かう、という段取りには無理があります。
この記事では、成人式のお祝いの食事会を、親世代の段取りとしてお話しします。いつ開くか、どこで開くか、祖父母を招くときに気をつけること、料理の考え方、そして二十歳で初めて家族と飲むお酒について。ご家族の記念の席に伺って料理をお出ししている側から見えていることを書きます。
成人式のお祝いの食事は、いつ開くか
候補は四つあります。それぞれ、集まりやすさと本人の負担が違います。
| 時期 | 向いている点 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 前撮りの日 | 写真と食事をまとめられる。祖父母も招きやすい | 式より数か月前になり、実感が薄い場合がある |
| 前日 | 本人に余力がある。翌日の支度も落ち着く | 翌朝が早いため、遅くまで続けられない |
| 当日の夜 | 式の高揚がそのまま食卓に乗る | 本人がいちばん疲れている。店の予約も取りにくい |
| 後日(成人の日の翌週など) | 日程を自由に組める。祖父母も集まりやすい | 式の記憶が少し落ち着いてからになる |
ご家族だけで短く済ませるなら、当日の夜でよいと思います。祖父母やご親族まで招くのであれば、前撮りの日か、後日にずらすほうが集まりやすくなります。
ここでひとつ、確認しておきたいことがあります。成人年齢が18歳になった一方で、飲酒は20歳からという決まりは変わっていません。そして式の対象年齢は、自治体によって異なります。「二十歳のつどい」といった名称で、20歳を対象に開催している自治体もあります。
ですから、お祝いの席でお酒を出せるかどうかは、ご本人の年齢で決まります。 18歳や19歳であれば、ご本人の分はノンアルコールで組む前提になります。ここは会の設計に直接関わるところなので、先に確かめておいてください。
当日の夜に開くなら、移動を増やさない
当日の夜に開く場合、判断の軸は一つだけです。移動を増やさないこと。
朝の着付けから数えると、ご本人はすでに長い一日を過ごしています。式典のあと、同級生との時間があり、写真を撮り、荷物を抱えて帰ってくる。この日の夜に、さらに電車やタクシーでの移動を足すと、食卓に着いた時点で会話が続かなくなります。
おすすめは、着替えてから始めることです。振袖や袴を脱いで、楽な服に着替える。その状態で席に着くほうが、長く話せます。写真は、着物のうちに撮っておけば足ります。
自宅で開くなら、この順番がそのまま組めます。帰宅する、着替える、席に着く。移動はゼロです。
どこで開くか ― レストラン・ホテル・自宅
場所の候補は三つです。
- レストラン。設えと料理が整っています。ただし当日は予約が取りづらく、時間の区切りもあります
- ホテル。写真撮影と食事をまとめられます。費用は上がりやすくなります
- 自宅。移動がなく、時間の区切りもゆるやかです。準備と片づけの負担が課題になります
三つめの課題は、人を頼めば解決します。ご自宅に伺う出張料理は、6名さまから16名さままで、コース形式で一皿ずつお出しします。お一人 15,000円〜、ワインペアリングを付ける場合は 22,000円〜。1回のご依頼につき 90,000円〜 で、表示の金額に税・サービス料・出張費がすべて含まれます。
ご本人、ご両親、ご祖父母が四人そろうと、ちょうど7名前後。この人数帯に収まります。
食材・器・グラス・カトラリーはすべて持参します。ご実家の食器が人数分なくても問題ありません。当日は開始の1時間ほど前に伺って仕込みを展開し、コースは2時間から3時間で進めます。時間が押しても、延長料金は発生しません。 片づけはシンク・コンロ・排水口まで済ませて引き上げます。
恵比寿の店を貸切にするという形もあります。6名さまから8名さま・一日ひと組の完全貸切で、7皿構成・所要は約3時間。開始の時刻はご都合に合わせて調整できます。
ひとつ、正直にお伝えしておきます。成人式のお祝いとしてのご依頼は、まだお受けしたことがありません。 ただ、ご家族の記念の席には伺っていますので、同じ設計でお受けできます。
お店が選ばれにくくなる理由
ご家族の記念の席で、お店ではなく自宅を選ばれる方が多い理由を、いくつかお伝えします。
いちばん多いのは、お店だと細かな対応ができないという点です。年齢の幅がある席では、料理の進む速さも、食べられるものも人によって違います。一律のコースを一律のタイミングで出す形は、そこに合わせにくい。
次に、ご年配の方が同席される場合の移動の負担です。年齢が上がるにつれて、移動そのものが大変になってきます。そしてもう一段あります。疲れたときにすぐ休める環境が、家にはあって、店にはないということです。私はこれが大きいと考えています。
実際、お客様から聞こえてくる満足の声でいちばん多いのは、「家でゆっくりできた」という一言です。
私たちがご家族の席に伺うときは、会の最後に記念撮影のお手伝いをしています。 成人式の日であれば、着物の写真は昼のうちに撮れているはずです。夜の卓を囲んだ一枚は、それとは別の記録になります。

祖父母を招く場合の段取り
成人式は、祖父母にとっても節目です。招きたいと考える方は多いのですが、ここで日程の問題が出てきます。
当日は、ご本人の予定が読めません。式典の時間も、友人との時間も、前もって決めきれない。ですから祖父母を招くのであれば、前撮りの日か、後日にずらすほうが確実です。日程を先に押さえられるぶん、遠方からでも来ていただけます。
席の組み立てでは、三つのことを変えています。
- 塩味を抑える。ご年配の方には、味を強く立てすぎないほうが食べ進みます
- 量とペースを調整する。一皿の量を減らし、お出しする間隔を空けます
- 食べやすく、噛み切りやすくする。これは料理の作り方そのものの話です
コースの全体像は変えません。一人ひとりに合わせて、中身を組み直すという形です。主役である二十歳のご本人には食べ応えのある皿を、祖父母には軽く整えた皿を。同じ流れの中で、別の中身が進みます。
ひとつ、お伝えしておきたいことがあります。お招きは、嬉しく受け取る方が多いです。 「気を使わせるのではないか」と心配される方がいらっしゃいますが、私が見てきた席ではそうではありませんでした。孫の節目に呼ばれることは、祖父母にとっても出来事になります。
支払いを、当日の話題にしない
祖父母を招く席で、小さいけれど効く工夫があります。
お支払いは、当日現金か、事前のお振込をお願いしています。事前にお振込を選んでいただければ、当日その場で会計が発生しません。
「ここは私が」「いえ私が」というやりとりは、祝いの席でよく起きます。会計そのものが当日に存在しなければ、その話題は出ません。小さなことですが、終わりの時間を静かに保てます。
料理の考え方 ― 主役の好物と、お祝いの一皿
成人式の食卓で、何を出すか。考え方は二つあります。
一つめは、主役の好物を一皿入れること。お祝いの定番を並べるより、こちらのほうが喜ばれます。二十歳になるまでのあいだ、誕生日に何度も作ってきた料理があるなら、それをコースの中に組み込むこともできます。ご相談いただければ、仕立て直してお出しします。
二つめは、お祝いの一皿を一品だけ置くこと。全部を祝いの形にすると、かえって浮きます。一皿だけ特別なものがあると、その日が特別だったという記憶が残ります。
アレルギーや苦手な食材は、事前のご相談で配慮します。料理の内容も量も、それぞれの方に合わせて用意しています。 お子さまが同席される場合は、年齢に応じて食べられるものに組み替えます。
参考までに、昼の会として伺った例をお話しします。千代田区のタワーレジデンスのパーティールームで、ご両親とお子さまを含むご家族の会でした。そこではお子さま用のメニューを別に作り、お子さまは食べ終えると併設のキッズルームで遊んでいて、大人はその間フルコースを最後まで召し上がっていました。
食べ終えた人が移動できる別の場所があると、会は途中で止まりません。 ご自宅であれば、別の部屋やリビングの一角が、そのまま同じ役割を果たします。年齢の幅がある席では、この設計が効きます。
お祝いの食事全般の考え方については、お祝いの食事をまとめた記事にも書きました。
二十歳で、初めて家族と飲むお酒
二十歳のお祝いには、他の節目にはない要素があります。家族と一緒に、初めてお酒を飲むという時間です。
くり返しになりますが、飲酒は20歳からです。ご本人が18歳や19歳であれば、この楽しみは数年先に取っておいてください。ノンアルコールでも、乾杯の形は十分に作れます。
20歳のご本人と飲む場合、最初の一杯は二つが向いています。
- 泡(スパークリング)。シャンパーニュも含めて、乾杯の形がそのまま作れます
- 甘口の白。渋みや苦みの要素が少なく、最初の一杯として入りやすいです
逆に、いきなり重い赤を出すのはおすすめしません。 渋みが苦手に感じられると、そこでワインの印象が止まってしまいます。
苦手な方は、甘口から
これは、ワインに慣れていない方を長く見てきて感じていることです。ワインが苦手だという方は、甘口から始めると喜ばれるケースが多いです。
以前、苦味が苦手なのにボルドー系のワインしか飲んだことがなかった方がいらっしゃいました。甘口のワインをお出ししたところ、「こんなワインがあるなんて」と驚かれていました。「ワインが苦手」なのではなく、まだ合う一本に出会っていないだけという状態は、よくあります。
もうひとつ、料理と合わせると印象が変わります。単体で飲んで判断するのと、料理と一緒に飲むのとでは、別の飲み物のように感じられることがあります。ワインが好きではなかった方が、ペアリングをきっかけに飲めるようになった例を、店で何度も見てきました。
最初の三本として挙げるなら、白はソーヴィニヨン・ブランかシャルドネ、赤はピノ・ノワールかカベルネ・ソーヴィニヨン、そして泡。私自身は、最初はドイツワインの白から入るのがよいのではないかと考えています。甘口から入るという話と、つながっています。
白ワインの入口については白ワインの選び方の記事に、ワインそのものの始め方はワインは何から始めるかの記事に書きました。ご本人の好みを先に言葉にしておきたい場合は、ワイン診断もあります。無料・全30問、所要およそ5分で、白5タイプ・赤5タイプのいずれかの品種タイプが提示されます。
最後にひとつ。無理に勧めないことが、いちばん大切です。 一杯目を飲みきれなくても構いません。自分のペースで飲んでいただければと思っています。

まとめ
成人式のお祝いの食事は、豪華さではなく、本人の体力に合わせて組むものだと考えています。
- 候補は前撮りの日・前日・当日の夜・後日の四つ。祖父母を招くなら前撮りか後日が集まりやすいです
- 当日の夜に開くなら、移動を増やさないこと。着替えてから席に着く形が長く続きます
- 自宅で開けば移動はゼロ。準備と片づけは人を頼めば解決します
- 出張料理は6名さまから16名さまで、お一人 15,000円〜。ご本人・ご両親・ご祖父母でちょうど収まります
- 祖父母が同席される席では、塩味を抑え、量とペースを調整します
- 料理は、お祝いの定番より主役の好物を一皿
- 飲酒は20歳から。最初の一杯は泡か甘口の白。無理に勧めないこと
式の写真は、着物のうちに撮れています。残っていないのは、着替えたあとの数時間です。そこに、席を用意してください。
ご自宅に伺う出張料理は、基本的に東京都内で承っています。ご相談は2週間前までにいただけると、当日までに設備とご希望に合わせた組み立てができます。成人の日の前後は日程が重なりやすいので、早めにご相談いただけると助かります。日程やご人数のご相談は、公式LINEにてご案内しています。
よくある質問
成人式のお祝いの食事会は、いつ開くのがよいですか?
前撮りの日、前日、当日の夜、後日の四つが候補です。祖父母を招くなら、前撮りの日か後日にずらすほうが集まりやすくなります。当日の夜は本人が疲れているため、移動の少ない場所を選ぶのがおすすめです。
成人式のお祝いの食事は、どんな料理がよいですか?
お祝いの定番より、主役の好物を一皿入れるほうが喜ばれます。祖父母が同席されるなら、塩味を抑えて食べやすく整えた皿を別に用意します。コースの全体像は変えず、一人ひとりに合わせて中身を組み直す形です。
二十歳のお祝いで、初めて飲むお酒は何がよいですか?
飲酒は20歳からです。最初の一杯には、泡(スパークリング)か甘口の白が向いています。渋みや苦みが苦手に感じられる方が多いため、甘口から入ると印象が変わります。無理に勧めないことも大切です。
成人式のお祝いを自宅で開くと、どんな良さがありますか?
移動がなく、時間の区切りもゆるやかなので、振袖や袴から着替えてそのまま席に着けます。ご年配の方が疲れたときにすぐ休めるのも、お店にはない点です。準備と片づけの負担は、出張料理を頼めば解決します。
ご家族のお祝いの前に、料理を確かめる体験ランチ。
お食い初めや記念日など、ご自宅での出張料理をご検討中の方へ。1〜8名様で料理とシェフの対応をご体験いただけます。1〜8名様 / お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み / 約2時間・完全予約制。完全予約制・開始時間はご都合に合わせて調整。

