料金は、調べれば分かります。日程も人数も、決めようと思えば決められます。それなのに、問い合わせの画面で手が止まる。

当日、家に他人が入ってきて、何が起きるのか。

そこだけが、どこにも書かれていないからだと思います。何時に来るのか。私は何を用意すればいいのか。キッチンを見られるのは、正直なところ気が引ける。終わったあと、シンクに山積みの皿が残されるのではないか。

出張シェフを検討される方の多くが、この段階で止まります。サービスの良し悪し以前の、生活の問題だからです。

ですので、隠さずに書きます。出張シェフの当日の流れを、到着から退出まで、順番にすべてお伝えします。 読み終えたときに当日の絵が浮かんでいれば、あとは日程を決めるだけです。

SUMMARY

結論:出張シェフは、開始の1時間前に到着し、コースを2〜3時間かけてお出しし、シンク・コンロ・排水口まで片付けて帰ります。 ご用意いただくものはありません。食材・器・グラス・カトラリー・調理道具は、すべて持参します。 キッチンはIHが1口あれば対応できます。狭くても、設備が古くても構いません。 時間が押しても延長料金はいただきません。お伝えした金額から追加になることはありません。 出張シェフの当日の流れを、到着から退出まで時系列で開示します。

出張シェフ 当日の流れ|到着から退出まで

まず、全体を時系列でご覧ください。

タイミング起きること
開始の1時間前ごろシェフが到着。ご挨拶と、キッチン・設備の確認
到着後仕込みの展開。器・グラス・カトラリーの設え
開始時刻乾杯に合わせて、一皿目
開始から2〜3時間コースの進行。場の空気を見ながら間合いを取る
コース終盤デザート
終了後片付け。シンク・コンロ・排水口まで整えて撤収

開始の1時間前に、到着します

到着は、開始時間の1時間前ごろになることが多いです。

まずご挨拶をして、キッチンと設備を確認させていただきます。事前の打ち合わせで伺っている内容と、実際の配置を照らし合わせる時間です。コンロの位置、シンクの広さ、冷蔵庫の空き。この確認が、そのあとの動線を決めます。

そこから仕込みを展開し、器とグラスを設えていきます。この1時間で、生活の場が、ひと夜のレストランに変わります。

乾杯に合わせて、一皿目

開始時刻には、一皿目をお出しできる状態が整っています。

最初の一皿が、その夜の方向を決めます。乾杯のタイミングに合わせて出すのは、そのためです。

コースは2〜3時間。時計ではなく、場を見ています

コースの所要時間は、2時間から3時間です。

ただ、私たちは分刻みの進行表を持って伺うわけではありません。現場の雰囲気を見ながら進めています。 会話が深まっているときは、次の皿を少し待ちます。テンポが良いときは、そのまま流れに乗ります。

料理の温度と、場の温度。その両方を見ながら間合いを取るのが、その場に人がいることの意味だと考えています。運ばれてきた料理では、これができません。

事前に決めておくこと

皿に仕上げの一手を加えるシェフの手元
火を入れるのは、席に着かれてからです。

当日を気持ちよく迎えるために、打ち合わせの段階で決めておくことがあります。項目としては、それほど多くありません。

  • 日程・人数・会場:ご相談は2週間前までにいただけると、余裕をもって組み立てられます
  • アレルギーと苦手な食材:お伝えいただければ、最大限の配慮でコースを組み直します
  • キッチンの設備:写真でも構いません。共有いただければ、当日までに段取りを最適化します
  • 会場のゴミの扱い:マンションやパーティールームには、それぞれのルールがあります

最後の項目は見落とされがちですが、当日に慌てないための確認です。詳しくは、後ほどお伝えします。

ご用意いただくもの、要らないもの

結論から申し上げると、ご用意いただくものはありません。

私たちが持参するもの

  • 食材のすべて
  • グラス
  • カトラリー
  • 必要な調理道具

お客様のご自宅の食器を使わせていただくことはありません。人数分の器を揃えていただく必要も、当日にワイングラスを買い足していただく必要もありません。運ぶのではなく、その場で仕立てる。 そのために必要なものは、こちらで携えて伺います。

現地でお借りするもの

お借りするのは、キッチンの設備だけです。IHやコンロ、シンク、冷蔵庫といった、もともとそこにあるもの。

そして、IHが1口あれば対応できます。

足りないものがあれば、持ち込みで補います。打ち合わせの段階で現地の設備を共有いただければ、当日までに調理の段取りを組み替えておきます。

終わったあと|片付けの範囲

コースが終わったあと、どこまでやって帰るのか。

すべて片付けて退出します。

  • 使用した器・グラス・カトラリー(持参分はすべて撤収します)
  • シンク
  • コンロ
  • 排水口

排水口まで含めて、元の状態に戻してから引き上げます。翌朝、キッチンに立ったときに前夜の痕跡がないこと。それが、片付けの基準です。

お客様の手は、ひと指も汚れない。 これは出張料理を始めたときから変えていない考え方です。招いた側が最後に台所へ立つのであれば、その方はその夜のホストになりきれません。余韻を残して、すべて引き上げる。それまでが、ひと夜の設計に含まれています。

なぜ、ここまで書くのか

年間200件を超える出張に伺ってきて、思うことがあります。

依頼を迷わせているのは、価格ではありません。 想像がつかないことです。

はじめてご依頼くださる方は、当日決まって、こう仰います。「私は何をしていればいいですか」。何もしなくて大丈夫です、とお答えすると、少し困った顔をされる。それくらい、人を家に招いて食事を出す夜というのは、ホスト側に緊張を強いるものなのだと思います。

私たちが1時間前に到着するのも、器を持参するのも、排水口まで洗って帰るのも、突き詰めれば同じ理由です。その夜、主催した方に、主催者としての時間を過ごしていただくため。 台所に立つ時間ではなく、卓を囲む時間を渡したい。

出張シェフの当日の流れをここまで細かく書く同業は、あまり多くありません。「詳しくはお問い合わせください」で止まっているサイトがほとんどです。けれど、当日の絵が浮かばないまま、他人を家に呼ぶ決断はできないはずです。

だから、書きました。

ご依頼の概要

出張料理の実務的な条件を、まとめてお伝えします。

  • 人数:6〜16名さま(17名以上は要相談)
  • 料金:お一人あたり ¥15,000〜(コース+ワインペアリングは ¥22,000)
  • 最低料金:1回のご依頼につき ¥90,000〜
  • 含まれるもの:食材、器・道具の持参分、シェフの移動費、当日の調理とサービス料
  • 対応エリア:基本は東京都内(都外・遠方も別途ご相談ください)
  • ご相談の時期:2週間前まで

コース内容や人数構成によって、お一人あたりの単価は組み立て直します。サービスの全体像は、出張料理のご案内ページにまとめています。

日程が決まっていない段階のご相談でも構いません。公式LINEにて承っています。

まとめ

出張シェフの当日の流れを、整理します。

  • 到着は開始の1時間前ごろ:ご挨拶、設備の確認、仕込みの展開と設えに使います
  • コースは2〜3時間:分刻みではなく、場の空気を見ながら間合いを取ります
  • ご用意いただくものはありません:食材・器・グラス・カトラリー・道具はすべて持参します
  • キッチンはIHが1口あれば足ります:狭くても、片付いていなくても構いません
  • 片付けはシンク・コンロ・排水口まで:翌朝、前夜の痕跡は残りません
  • 時間が押しても追加料金はありません:お伝えした金額のなかに収まります

当日の絵が浮かんだのであれば、決めるべきことは、もう日程だけです。器もグラスも持参して、6〜16名さまで承ります。

よくある質問

出張シェフは当日、何時間前に来ますか?

開始時間の1時間前ごろに到着することが多いです。到着後、ご挨拶とキッチン設備の確認を行い、仕込みを展開して器やグラスを設えます。開始時刻には、乾杯に合わせて一皿目をお出しできる状態を整えています。

自宅のキッチンが狭いのですが、出張シェフを頼めますか?

IHが1口あれば対応できます。足りない調理道具は持ち込みますので、設備が古くても構いません。事前の打ち合わせで現地のキッチンを共有いただければ、当日までに調理の段取りを最適化しておきます。

片付けやゴミの処理は、どこまでやってもらえますか?

シンク、コンロ、排水口まで、すべて片付けて退出します。お客様のお手をわずらわせる工程はありません。ゴミは会場側にお願いすることが多いですが、会場のルール上、持ち帰りが必要な場合は持ち帰ります。

川原壯太(Na Team Lab シェフ)
AUTHOR 川原 壯太 Na Team Lab シェフ

恵比寿のレストランを拠点に、年間200件を超える出張料理・会食を手がける。5味のバランスやペアリングなど「9つの原則」に基づいて食卓を設計し、料理教室・ワイン会も主宰。

Instagram @nateam.kawahara


当日は、扉を開けていただくだけです。

開始の1時間前に伺い、仕込みから配膳、片付けまで担います。ご用意いただくのはキッチンだけ。器もグラスもカトラリーも携えて参ります。ご自身は、席に着いたまま過ごしていただけます。

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