10月に入ると、七五三の食事会をどうするかという話が動きはじめます。

参拝の日取りを決め、写真の予約を取る。そこまでは順に進みます。けれど食事の段になると、決めることが一度に増えます。

個室のある店は、土日から埋まっていきます。人数が6名を超えたとたんに、選べる店は狭くなる。お子さまは参拝と撮影ですでに疲れていて、着物を汚さずに食事を終えられるとも限りません。祖父母を招くなら、もう一度移動させることにもなります。

そして、口に出しにくい問題がもうひとつ残ります。この食事代は、誰が払うのか。

この記事は、その四つを同時に抱えている方に向けて書いています。七五三のお祝いの食事を自宅で開くという選択を、順に整理していきます。

SUMMARY

結論:七五三のお祝いの食事は、参拝と写真撮影を終えたあと、移動しない場所で開くのがもっとも無理がありません。 選択肢は「料亭やレストランの個室」「自宅で作る」「自宅に呼ぶ」の三つです。 着物を着たお子さまと、招かれた祖父母がいる日は、そこからもう一度移動することの負担がいちばん大きくなります。 食事代は招く側である親が持つのが本筋ですが、祖父母が申し出られることもあり、事前に決めておくと当日が静かに進みます。 この記事では、三つの選択肢を移動・着物・主催者の負担・支払いという四つの軸で比べ、どの条件でどれを選ぶとよいかを整理します。

家族行事の席順や役割を考えるときは、両家顔合わせを自宅で開く方法が参考になります。三世代が集まる席の整え方は、喜寿祝いの食事会でも詳しく紹介しています。

七五三の食事会には、三つの選択肢があります

七五三の食事会は、参拝と写真撮影を終えた後に家族で囲む祝いの食事です。お子さまが疲れ、着物を汚しやすい日のため、移動のない自宅で開くご家庭が増えています。

検討はたいてい、最初の二つで終わります。店が取れなければ作る、作れなければまた店を探す。そうしているうちに、11月が近づいてきます。

三つ目があると知っているだけで、この行き来は止まります。同じ軸に並べてみます。

料亭・レストランの個室自宅で作る自宅に呼ぶ
移動参拝・撮影の後にもう一度なしなし
着物移動と食事の両方で汚れる脱がせて着替えられる脱がせて着替えられる
主催者の負担予約・席次・会計買い出し・仕込み・片付け事前の打合せのみ
支払いの見え方会計が席で発生する見えない事前に整理できる

料亭やレストランの個室は、設えが最初から整っています。祝いの日にふさわしい空気が、こちらで用意しなくてもそこにある。大人だけで落ち着いて祝うなら、良い選択です。ただし10月と11月の土日は、同じことを考えるご家庭が重なります。

自宅で作るという選択は、移動がなく、費用も食材費だけで済みます。着物も着替えさせられる。そのかわり、買い出しから仕込み、皿出し、片付けまでが主催者に集中します。

自宅に呼ぶは、前の二つの間にあります。場所は自宅のまま、作る役割だけを外す形です。

なお、食事会そのものを開かないという判断もあります。家族だけで、ふだんの食卓に一品足して祝う。それも十分に成立します。この記事は、開くと決めた方に向けたものです。

七五三の食事代は、誰が払うのか

白いシャツの人物が赤ワインのグラスを持つ食卓
参拝のあとも、家族が落ち着いて座れる食卓を。

七五三の食事会について調べる方が、もっとも多く検索しているのはこの問いです。メニューでも、店選びでもなく、誰が払うのか

招く側が持つのが本筋です

七五三は、子の親が主催する行事です。祖父母は招かれる側にあたります。したがって食事代は、招く側である親が持つのが本筋になります。

ただし実際には、祖父母が「出させてほしい」と申し出られることが少なくありません。断りきるのも心苦しく、その場で受けるのも落ち着かない。

ここで見落とされがちなのは、決めるべきものが金額ではないということです。決めておくべきなのは、「当日にその話をしない」ということです。

両家の祖父母が同席する場合は、とくにそうです。片方の家が出し、もう片方が出さなかった。その事実が席で見えてしまうと、あとに残ります。金額の多寡ではありません。

だからこの話は、日程を決めるときと同じ段階で、当事者だけで済ませておくのがよいと考えています。

会計が席で発生しない、という選び方

店の個室では、会計は席か、席のすぐそばで発生します。誰が伝票を取るのかという一瞬が、招いた側にも招かれた側にもどうしても訪れます。

自宅に呼ぶ形では、この一瞬がありません。

私たちの出張料理では、お支払いは当日現金、または事前のお振込でお願いしています。事前振込を選んでいただければ、当日その場で会計が発生しません。表示価格は税・サービス料・出張費をすべて含むため、当日に金額が動くこともありません。

つまり「誰が払うか」を、事前に、当事者だけで片づけられます。お子さまと祖父母の前で財布が出る場面が、そもそも起きない。

支払いの問題を、話し合いで解決しようとすると難しくなります。場所の選び方で解決できることがある、というのがこの記事の答えです。

七五三の食事に、何を出すか

次に多いのが、献立の相談です。何を出せば七五三らしくなるのか。

縁起物としては、鯛や赤飯が挙げられます。古くから祝いの膳に置かれてきたものです。入れるかどうかは、ご家庭の考え方によって分かれます。

ただ、実際に献立を組むときに効いてくるのは、縁起物があるかどうかよりも、次の三つだと私は考えています。

  • お子さまが食べられるものがあること
  • 祖父母が食べやすいものであること
  • 主役のお子さまが飽きない、出す順番であること

一つめについては、私たちもお子さま用のメニューを別に組んだことがあります。大人と同じ皿を小さくするのではなく、その年齢で食べきれる量と内容に組み直したものです。

二つめは、量と硬さ、そして進む速さの問題です。若い世代と同じ皿数を同じテンポで出すと、年配の方は途中で手が止まります。

そして、これが私たちの仕事のいちばん大事なところなのですが、料理の内容も量も、それぞれの人に合わせて用意しています

お子さま用と大人用に二分するのではありません。その席に座る一人ひとりを見て、組み直します。祝いの席で「自分の分が、自分のために用意されている」と感じられることには、意味があると考えています。

アレルギーや苦手な食材も、事前にお伺いできれば配慮して組み立てます。

当日の流れ ― 参拝、撮影、そして食事

七五三の一日は、参拝、撮影、移動、食事という順に進みます。

この三つめの「移動」が、実際にはいちばん重い工程です。参拝で待ち、撮影で笑い、そこから店へ向かう。着物のお子さまにも祖父母にも、体力を最も使うのはこの区間です。

自宅であれば、この工程そのものがなくなります。

着物のまま食べるかどうかを、選べること

七五三の食事を着物のまま食べるかは、多くの方が迷うところです。せっかくの晴れ着なので写真も残したい。けれど、汚さずに食事を終えられる保証はありません。

自宅であれば、これは選べます。脱がせて着替えさせられる部屋があり、着崩れても直せる場所があります。

外の個室では、この選択肢そのものが持てません。着物のまま食べきるか、店の手洗いで着替えるかの二択になります。

お子さまは先に食べ終えて、大人はコースを続けられます

以前、千代田区のタワーレジデンスで、昼のランチ会に伺ったことがあります。ご両親とお子さまを含むご家族の会でした。

そのパーティールームには、キッズルームが併設されていました。お子さまは食事を終えるとそこへ移って遊び、大人の皆さまはその間、フルコースを最後まで召し上がっていました。

この日に見たのは、進行が止まるという光景ではありません。お子さまだけが先に食事を離れ、大人の会はそのまま続くという分岐でした。

成立の条件は、ひとつだけです。食べ終えたお子さまが移動できる、別の場所があること。

ご自宅であれば、子ども部屋やリビングの一角が、そのままこの役割を果たします。店の個室には、この「別の場所」がありません。

私たちは開始の1時間ほど前に伺い、支度を始めます。コースの所要時間は2時間から3時間ほど。会が長引いても、延長料金は発生しません。片付けはシンク、コンロ、排水口まで済ませて引き上げます。

自宅で「作らない」という選択

作る人が、写真に写らない

私たちにご相談くださる方は、料理ができないから頼まれるのではありません。ふだんからご自分で作っていらっしゃる方が、ほとんどです。

それでもご依頼をいただく理由は、だいたい同じところにあります。準備と片付けまで含めると、一日が持たないということです。

祖父母を招いた日に、親のどちらかが台所に立ち続ける。皿を出し、飲み物を注ぎ、下げ、洗う。気づくと、その日の写真に主催者が写っていません。

手作りが良くないという話ではありません。4名や5名なら十分に成立します。ただ、6名を超えると構造的に無理が出はじめます。作る役割と席にいる役割は、同じ人が同時には持てません。

七五三は、お子さまが主役の日です。そのお子さまの隣に、親が座っていられるかどうか。そこを基準に考えてよいと私たちは思っています。

食材も器も、当日すべて持参します

食材、器、グラス、カトラリー、調理道具まで、すべて私たちが持参します。ご自宅で用意していただくものはありません。IHが一口あれば伺えます。足りない設備は持ち込みで補います。

料金は、6名さまから16名さまでお一人 15,000円〜(コースのみ)、ワインペアリングをお付けする場合はお一人 22,000円です。1回のご依頼につき 90,000円〜、いずれも税・サービス料・出張費込みです。17名さま以上になる場合は、ビュッフェ形式でお一人 8,000円〜のご案内になります。

ご両親とお子さま、そして両家の祖父母という顔ぶれは、ちょうど6名から8名に収まることが多くあります。一皿ずつお出しする着席のコースが、もっとも成立しやすい人数です。

ご相談は通常、2週間前までにいただければお受けできます。ただし10月と11月の土日は、早い時期にご相談が集まります。参拝の日取りが決まった段階でご連絡いただけると、調整がしやすくなります。

まとめ

七五三のお祝いの食事を自宅で開くことについて、整理した点をまとめます。

  • 選択肢は三つあります。料亭やレストランの個室、自宅で作る、自宅に呼ぶ
  • 一日でいちばん重いのは、参拝と撮影のあとのもう一度の移動です
  • 食事代は招く側が持つのが本筋です。決めるべきは金額ではなく、当日その話をしないこと
  • 事前振込を選べば、席で会計が発生しません。着物のまま食べるかどうかも、自宅であれば選べます
  • 10月と11月の土日は早い時期に相談が集まります。日取りが決まった段階でのご連絡が確実です

その日、お子さまの隣に座っていられること。それが、この日の食事を設計するときのいちばんの基準だと考えています。

よくある質問

七五三の食事会は、何日前までに決めればよいですか?

通常は2週間前までにご相談いただければお受けできます。ただし10月と11月の土日は早い時期にご相談が集まりますので、参拝の日取りが決まった段階で一度ご連絡いただけると安心です。日程が確定していない段階のご相談でも構いません。

子ども用のメニューもお願いできますか?

お子さま用のメニューを別にお作りした実績がございます。年齢や苦手な食材を事前にお伺いし、量と構成をその方に合わせて組み立てます。アレルギーがある場合も、ご相談の段階でお申し付けください。

祖父母を含めて6名ですが、お願いできますか?

出張料理は6名さまからお受けしています。ご両親とお子さま、そして両家の祖父母という顔ぶれは、ちょうどこの人数に収まることが多くあります。6名さまから16名さまは、一皿ずつお出しする着席のコース形式です。

川原壯太(Na Team Lab シェフ)
AUTHOR 川原 壯太 Na Team Lab シェフ

恵比寿のレストランを拠点に、年間200件を超える出張料理・会食を手がける。5味のバランスやペアリングなど「9つの原則」に基づいて食卓を設計し、料理教室・ワイン会も主宰。

Instagram @nateam.kawahara


集まる人が、席にいられる時間を。

ご自宅へ伺い、その場に合わせてコースを仕立てます。6〜16名さま、お一人 15,000円〜(ワインペアリング付は 22,000円/税・サービス料・出張費込)。器もグラスもカトラリーも携え、片付けまで引き受けます。

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