「六名で集まりたいのですが」。そう問い合わせて、「最低二十名さまから承っております」と返ってきた経験はないでしょうか。

少人数のケータリングを東京で探すと、この壁に何度もぶつかります。人数が少ないほど、選べる相手は減っていく。けれど、集める人数を増やしたいわけではありません。六名だから、八名だから、その夜に意味があるのです。

この記事では、少人数の会がなぜ断られやすいのか、その構造から順に整理します。人数別の目安、東京の会場ごとの条件、六名・八名・十二名の総額まで。読み終えたときに、問い合わせる前に何を決めておけばよいかが分かる形にしました。

SUMMARY

あわせて、出張シェフの到着から退出まで出張料理の料金に含まれるものもご覧ください。

少人数のケータリングは、最低金額が「何人分で届くか」で選ぶ

少人数のケータリングとは、およそ2〜16名の会に料理を提供する形のことです。多くのケータリング会社には最低注文額があるため、人数が少ないほど一人あたりの負担が重くなります。東京では、一人あたりの単価と最低金額がひと続きになっている出張料理型が向いています。着席コースなら、お一人15,000円前後からが目安です。料理人が会場で仕上げる形であれば、レストランと同じ温度のまま卓にお出しできます。

探すときに見るべきなのは、「最低注文額があるかないか」ではありません。どの会社にも、何らかの下限はあります。見るべきは、その金額が何人分の単価で届くかという一点です。

たとえば Na Team Lab の出張料理は、お一人15,000円からの着席コースで、6名さまから16名さままでお受けしています。1回のご依頼につき90,000円からが下限です。この90,000円は、お一人15,000円に6名さまを掛けた数字と一致します。つまり最低金額は、単価の裏返しにすぎません。6名さまに届いた時点で、下限はすでに満たされています。

一方、下限が人数で引かれている場合は、事情が変わります。二十名さまからという条件の会社へ六名でお願いすると、料理の量は六名ぶんのまま、支払いだけが二十名ぶんに近づいていく。少人数で負担が重く感じられる原因は、たいていここにあります。

なぜ少人数の会は断られやすいのか

少人数の自宅ケータリングの食卓
人数が少ないほど、一皿ずつ近い距離で届けられます。

ケータリングという一つの言葉に、性質の違う三つの形式が入っています。これを分けて見ると、少人数が断られる理由がはっきりします。

形式お一人あたりの目安料理の状態
配達型(オードブル・デリバリー)1,500〜3,000円仕上げた料理を届ける
会場仕上げ型(ビュッフェ)5,000〜10,000円現地で仕上げ・盛り付け
着席コース型15,000円〜一皿ずつその場で提供

※ 参考までに、市場全体の一般的な目安です。Na Team Lab の価格は後述します。

配達型は、配送の効率で成り立っています。同じ一台で何件を回れるか、一件あたり何人分を積めるか。少量の配達は、この計算に乗りません。だから最低ロットという線が引かれます。

会場仕上げ型と着席コース型は、人が現地に入ります。こちらは事情が逆で、人数が減っても動く人の数は変わりません。六名さまでも十六名さまでも、仕込みの時間と移動にかかるものは同じです。人数で割ると一人あたりが重く見えるため、「大人数のほうが効率がよい」と判断されやすくなります。

私たちは、この帯を最初から引き受ける設計にしています。1回のご依頼につき90,000円という下限は、少人数の会を成立させるために置いた線です。

人数別の目安 ― 五名さま以下から、十六名さまで

人数が変わると、変わるのは料理の量だけではありません。卓を流れる会話の数が変わり、一皿を出す速度が変わり、向く料理そのものが変わります。

人数向く形式お一人あたり会の輪郭
五名さま以下着席コース(要相談)1回90,000円に届く構成なら承れる
六〜八名さま着席コース15,000円〜ひとつの会話が卓を回る。もっとも店に近い
九〜十二名さま着席コース15,000円〜会話が分かれ始める。品数を整理する帯
十三〜十六名さま着席コース15,000円〜一皿ずつの提供が成立する最後の帯
十七名さま以上ビュッフェ形式8,000円〜五十名規模まで。先に整えておく設計

ワインペアリングを付ける場合は、お一人22,000円になります。いずれも税・サービス料・出張費込みの金額です。

六名から八名 ― もっとも店に近い帯

ひとつの会話が卓全体を回る人数です。誰かが話し始めると、全員がそちらを向く。この状態なら、一皿を出すタイミングを会話の切れ目に合わせられます。恵比寿のレストランを八席で設計している理由も、ここにあります。

九名から十二名 ― 会話が分かれ始める

卓の左右で、別の話題が同時に進むようになります。一皿を同時にお出ししても、受け取る側の準備が揃いません。この帯では品数をやや整理して、一皿あたりの存在感を強める組み方に切り替えます。

十三名から十六名 ― 一皿ずつが成立する最後の帯

十六名さまが、着席コースの上限です。これを超えると、最初の方と最後の方で皿の届く時間に差が出すぎます。十七名さま以上はビュッフェ形式へ切り替え、お一人8,000円からで承ります。こちらは五十名規模まで対応できます。

五名さま以下のとき

着席コースは六名さまからが基本です。ただし、1回のご依頼で90,000円に届く構成であれば、五名さま以下でもお受けできます。食材の質を上げる、品数を増やす、ペアリングを厚くする。人数ではなく中身で下限に届かせる形です。

人数が少ないほど、料理は店に近づきます

私は出張料理人として、年間200件を超える食卓に伺ってきました。その経験から言えるのは、人数が少ない会のほうが、料理は良い状態で届くということです。

理由は単純で、火入れの直後にお出しできるからです。

十六名さま分の魚を同時に焼くと、最初に焼き上がった皿は、最後の皿が仕上がるまで待つことになります。数分の差でも、香りの立ち上がり方は変わります。脂は落ち着き、輪郭はゆるやかになる。八名さまなら、その待ち時間がほとんど消えます。焼いて、盛って、そのまま卓へ。恵比寿の厨房でやっていることと、同じ距離になります。

東京で美味しい少人数のケータリングを探した方が、結果として出張料理に行き着くのは、この構造のためだと考えています。運ばれてきた料理を温め直すのではなく、その場で仕立てる。少人数は、その形がいちばん素直に成立する規模です。

品数は、規模に応じて十品から十五品ほどで組みます。進行は固定しません。会話が深まっていれば間を置き、テンポが良ければ次の皿をお出しする。到着は開始の一時間前くらい、コースは二時間から三時間ほどです。時間が押しても、延長料金はいただきません。

場所が変わっても、料理の組み立て方は変えません。恵比寿の厨房で使っているものと同じ9つの原則で、その夜のコースを設計します。

東京の会場別に見る、少人数の会の条件

少人数の会は、選べる会場の幅が広いぶん、条件のばらつきも大きくなります。東京でよくある四つの型ごとに、先に確かめておきたい点を挙げます。

ご自宅のマンション

いちばん多い会場です。キッチンはIH一口があれば成立します。食材、器、グラス、カトラリー、調理道具は、すべてこちらで持参します。片付けはシンクとコンロ、排水口まで済ませて引き上げますので、お客様の手はひと指も汚れません。

ご用意いただくのは、テーブルと椅子だけです。ここは正直にお伝えしておきます。テーブルと椅子は基本的に持参できず、レンタルで手配する場合は別途のご予算をいただく形になります。

戸建てのご自宅・セカンドハウス

台所が広く、火口が複数ある会場です。一方で、人を招く前提で設計されていない住まいもあります。ダイニングに何名さままで座れるか、そこだけ先に数えておいていただけると、コースの組み方が決まります。

タワーレジデンスのプライベートサロン

共用部のパーティールームは、IH一口が置かれている部屋がほとんどです。調理のできない部屋もありますが、その場合は恵比寿の厨房ですべて仕込み、現地では仕上げと盛り付けだけを行う形で対応します。

この会場の特徴は、時間の制約です。共用部は二十二時までという規定が多く、準備から撤収までをその中に収める設計が要ります。当日は防災センターの許可を取ってから動きますので、少し早めに現地入りします。

貸会議室・仕事場

火も水道もない部屋が少なくありません。熱源がなければカセットコンロを、冷蔵庫がなければ可動式のものを持参します。水が使えない場合は、使い捨ての器で組むか、洗浄まで含めた食器一式を持参するかを選びます。

費用の目安 ― 六名・八名・十二名の総額と、ドリンクの考え方

少人数のケータリングでいちばん読みにくいのは、一人あたりではなく総額です。三つの人数で、輪郭を出しておきます。

人数コースのみワインペアリング付
六名さま90,000円〜132,000円〜
八名さま120,000円〜176,000円〜
十二名さま180,000円〜264,000円〜

いずれも、お一人15,000円/22,000円で計算した場合の目安です。税、サービス料、出張費はすべて含みます。当日に金額が上乗せされることはありません。

ドリンクには、二つの考え方があります。

ひとつは、お持ちの一本を開けていただく形です。持ち込み料はいただかず、本数の制限もありません。ワイングラスは百脚ほど用意していますので、品種ごとに形を変えることもできます。お客様がご用意されたワインに、こちらが料理を合わせる組み方も承ります。

もうひとつは、ペアリングをこちらで組む形です。お一人22,000円のコースがこれにあたります。コースの流れに沿って、同調と対比を織り交ぜながら一杯ずつ選んでいきます。

頼む前に決めておきたい五つのこと

問い合わせの前にこの五つが決まっていると、話が早く進みます。

1. 人数を確定させる日

ご相談は開催の二週間前までにいただく形です。人数が増える場合は、前日のご連絡でも対応できます。減る場合はキャンセルポリシーに沿った取り扱いとなり、開催日から七日以内は料金の100%を頂戴することが多くなります。揺れそうなときは、早めにお伝えください。

2. 会場のキッチン

火口の数、シンクの有無、冷蔵庫。写真を一枚いただければ、こちらで判断します。

3. アレルギーと苦手な食材

事前に集めておいていただけると、当日の組み替えが不要になります。お子さま向けのコースをお作りしたこともあります。

4. ワインをどうするか

お持ち込みか、こちらで組むか。ここが決まると、コース全体の設計が変わります。

5. 終了時刻

共用部の規定や、翌日のご予定。終わりの時刻から逆算して、準備と撤収を組みます。

八名までなら、店より静かで、店より近い

八名さまの会は、店を借りるには小さく、家で作るには重い。その隙間に落ちてしまう規模です。けれど料理の側から見れば、この人数こそ、いちばん良い状態でお出しできます。

Na Team Lab の出張料理は、東京都内を中心に承っています。都外や遠方も、別途ご相談ください。ご自宅、セカンドハウス、タワーレジデンスのプライベートサロン。場所が変わっても、恵比寿と同じ設計で一夜を組み立てます。

ご相談・お問い合わせは、公式LINEにて承っております。人数や会場がまだ固まっていない段階でも構いません。

まとめ

  • 少人数のケータリングを東京で探すときは、最低注文額の有無ではなく、その金額が何人分の単価で届くかを見る
  • 着席コースは六名さまから十六名さままで、お一人15,000円から。1回のご依頼につき90,000円からが下限
  • 五名さま以下でも、1回の会で90,000円に届く構成であればお受けできる
  • 六〜八名さまは、ひとつの会話が卓を回り、火入れの直後に出せる。もっとも店に近い帯
  • 会場のキッチンはIH一口があれば成立する。熱源や水がない場合も、事前にご相談いただければ組み立て直せる

人数が少ないことは、少人数のケータリングにおいて不利な条件ではありません。むしろ、料理がいちばん良い状態で届く規模です。まずは、卓を囲む方の数を数えるところから始めてみてください。

よくある質問

2名や4名でも、少人数のケータリングを頼めますか?

着席コースは六名さまからを基本としています。ただし、1回のご依頼で90,000円に届く構成であれば、五名さま以下でもお受けできます。人数が少ない場合は、コースの内容そのものを組み直してご相談いただく形になります。

当日になって人数が変わった場合はどうなりますか?

増える場合は、前日のご連絡でも対応できます。減る場合はキャンセルポリシーに沿った取り扱いとなり、開催日から七日以内は料金の100%を頂戴することが多いです。人数が動きそうなときは、早めにお伝えいただけると助かります。

キッチンがない会場でも、少人数のケータリングは可能ですか?

熱源のない部屋にはカセットコンロを、冷蔵庫がなければ可動式のものを持参する形で対応できます。水が使えない場合は、使い捨ての器か、洗浄まで含めた食器一式の持参で組み立てます。設備で料理の内容が変わるため、最初にご相談ください。

Na Team Lab オーナーシェフ 川原壯太
ABOUT NA TEAM LAB Na Team Lab|株式会社Na Team

東京・恵比寿を拠点に、出張料理・店舗貸切・料理教室・ワイン会を展開。料理、ワイン、空間、その日の時間までを設計し、食を通して心に残る体験をつくっています。

執筆:(オーナーシェフ)。年間200件を超える出張料理・会食の経験をもとに、現場の視点をお伝えします。

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ご家族のお祝いの前に、料理を確かめる体験ランチ。

お食い初めや記念日など、ご自宅での出張料理をご検討中の方へ。1〜8名様で料理とシェフの対応をご体験いただけます。1〜8名様 / お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み / 約2時間・完全予約制。完全予約制・開始時間はご都合に合わせて調整。

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