法事のあとの会食、会議の昼食、親族が集まる日の夕食。人が集まる日の料理を手配しようとすると、「仕出し」という言葉に行き当たります。見積もりを取ろうとして、宅配弁当やケータリングとどう違うのかが分からず、検索窓に戻ってきた方も多いのではないでしょうか。
仕出しとは、注文に応じて作った料理を、指定された場所まで届けることです。 つまり、作る場所と食べる場所が離れている手配の形を指します。この一点を押さえると、宅配弁当やケータリング、出張料理との違いも整理できます。
この記事では、仕出しの意味から始めて、仕出し弁当と仕出し料理の関係、そして4つの手配方法の違いを、温度・器・片付け・人手・費用という5つの軸で並べます。最後に、法事や会議、家族の集まりという場面ごとに、どれを選ぶと落ち着くのかをお伝えします。
結論:仕出しとは、注文に応じて作った料理を、指定された場所まで届けることです。 辞書には「注文に応じて料理を作って配達すること。出前。」と記されています。法事や会合、会議の席で長く使われてきた手配の形です。 宅配弁当は使い捨ての容器で届くもの、ケータリングは会場に料理を並べて設営まで担うもの、出張料理は料理人が現地で火を入れて仕上げるものにあたります。 手軽さを取るなら届ける形、出来たての温度を取るならその場で仕上げる形が向きます。
あわせて、ケータリングとは何かとケータリングの料金もご覧ください。
仕出しとは、注文に応じて作った料理を届けること
辞書の記述から確かめます。デジタル大辞泉は「注文に応じて料理を作って配達すること。出前。」と説明しています。栄養・生化学辞典では「注文された料理を指定された場所へ届けること」とされています。
ここで押さえておきたいのは、辞書が「出前」を同義として挙げていることです。仕出しと出前をまったく別のものとして線を引く説明も見かけますが、言葉の由来としては重なっています。現場で使い分けられているのは、あくまで慣習の上の区別です。
言葉の成り立ちについては、仕事の「仕」と出入りの「出」を合わせた語で、「作って出す」の意からできた、と説明されることがあります。ただし国語辞典に語源の記載を確かめられたわけではありませんので、ここは諸説あるものとして受け取ってください。
使われる場面としては、冠婚葬祭、宴会や会食、そして重要な会議が挙げられます。いずれも、その場の格を崩さずに料理を揃えたい席です。器の質感や盛り付けによって場を保ちやすいことが、仕出しが長く使われてきた理由のひとつだと言われています。
仕出し料理と仕出し弁当は、何が違うのか

検索すると、「仕出し料理」と「仕出し弁当」の2つの言葉が出てきます。この2つに、定義上の大きな違いはないと説明されるのが一般的です。
実務の上での区別として語られることが多いのは、容器と回収です。
- 仕出し弁当:器に入った料理が届けられ、後日その器を回収する
- 宅配弁当:使い捨ての容器で届けられ、器の回収がない
この区別は分かりやすいのですが、事業者ごとの運用でもあります。使い捨ての容器で届ける仕出し店もありますし、回収を前提にした宅配弁当もあります。「仕出しなら器を返す」と決まっているわけではありません。 注文の段階で確かめておくと、当日に慌てずに済みます。
もうひとつ、「仕出しは和食」という印象を持たれることがありますが、これも決まりではありません。料理のジャンルは店によって異なります。
届ける料理と、その場で仕上げる料理
ここからが本題です。料理を手配する方法は、大きく4つに分かれます。横に並べてみます。
| 仕出し | 宅配弁当 | ケータリング | 出張料理 | |
|---|---|---|---|---|
| 料理の状態 | 作ったものを届ける | 作ったものを届ける | 会場で仕上げ・盛り付け | 会場で火を入れて仕上げる |
| 温度 | 届いた時点の温度 | 届いた時点の温度 | 仕上げたての温度 | 一皿ずつ仕上げたての温度 |
| 器 | 器ごと届く(回収あり/なしは店による) | 使い捨ての容器 | 事業者が持参、または会場のもの | 器・グラス・カトラリーまで持参 |
| 片付け | 器の返却が生じる場合がある | 容器を捨てる | 事業者が引き上げる | 事業者が引き上げる |
| 人手 | 受け取りと並べ替えは主催者側 | 受け取りと配布は主催者側 | 設営・配膳・補充を担う人が入る | 調理からサービスまで担う人が入る |
費用について、一般的な目安として整理すると、料理を届ける形は人数あたりの負担が軽く、会場で仕上げる形、一皿ずつ提供する形へと進むにつれて上がっていきます。届ける形がおよそ1,500円から3,000円、会場で仕上げるビュッフェ形式が5,000円から10,000円、着席のコース形式が15,000円からというあたりが、よく言われる幅です。これは市場一般の目安で、料理の内容や地域によって変わります。
表を眺めていただくと分かるのですが、4つの違いは料理の良し悪しではありません。 どこまでを自分たちで引き受けるか、という分担の違いです。届ける形は、受け取りと並べ替えと片付けを主催者側が持ちます。その代わりに費用は軽く済みます。会場に人が入る形は、その手間をまるごと預けられます。
届いた瞬間から、料理の状態は変わりはじめます
ここは、料理を作る側の実感としてお伝えします。
同じ料理人が同じ食材で作っても、届ける時点で料理の状態はすでに変わっています。 変わるのは3つです。提供するときの温度。盛り付けの立体感。そして、香りの立ち方です。
私は、温度は味の一部だと考えています。仕上げた直後の皿と、数十分置かれた皿では、香りの立ち上がり方が違います。脂は落ち着き、ソースは器に馴染み、料理の輪郭はゆるやかになっていきます。それが悪いというのではありません。ただ、意図した味とは別のものになります。
Na Team Lab は、料理とワインを9つの原則で組み立てています。そのうちのひとつに「コースのリズム」という考え方があります。軽いものから重いものへ、変化と起伏をつけて夜を進める設計です。この設計は、一皿ずつのタイミングが守られてはじめて意味を持ちます。だから私たちは、運ぶのではなく、その場で仕立てることを前提にしています。
とはいえ、届ける形を低く見ているわけではありません。ご予算と場面に合わせて使い分けていただくのが、いちばん落ち着く選び方です。食事が主役ではない集まりや、会話を中心にしたい席では、届ける形のほうが身の丈に合います。実際、「予算の範囲でお願いしたい」というご相談から、届ける形をご提案することもあります。
場面別の選び方
4つの形式を、よくある場面に当てはめます。
法事のあとの会食
参列された方の人数が読みにくく、年齢の幅も広い席です。器に入った料理が届く形は、場の格を保ちやすく、進行も読みやすくなります。会食を設けない場合に、持ち帰り用の弁当や折詰を配る形が選ばれることもあります。
落ち着いた席として組み立てたい場合は、会場に料理人が入る形もお選びいただけます。Na Team Lab では、献杯のタイミングに合わせてコースを組み、設えを静かにすることができます。フレンチとイタリアンを基軸としながら、和に寄せた構成に組み替えることも可能です。法事のあとの食事については、別の記事で詳しく整理しています。
会議の昼食
時間が区切られていて、食事そのものに時間を割けない席です。弁当の形が合理的に働きます。
一方で、役員の会食や取引先を招いた会議では、会場に人が入る形が選ばれます。オフィスでお受けする場合、私たちが最初に確認するのは水場と冷蔵庫です。オフィスは水場が限られていることが多く、洗い物を現地で完結させない設計に組み替えます。冷蔵庫の容量が足りないと判断した場合は、移動式の冷蔵庫を持ち込みます。
祝いの席
誕生日、長寿のお祝い、昇進のお祝い。主役がいる席では、料理が出てくる順序そのものが演出になります。一皿ずつお出しする形が、いちばん力を発揮する場面です。
家族の集まり
お盆や年末年始のように、親族が集まるタイミングのご依頼も承っています。この席でいちばん避けたいのは、用意をした方だけが台所に立ち続ける一日になることです。料理を出し、飲み物を注ぎ、片付ける。招いた側が、招いた側でいられなくなります。
私たちが伺うのは、その役割ごと引き受けるためです。食材・器・グラス・カトラリー・調理道具をすべて持参し、片付けはシンクとコンロ、排水口まで済ませて引き上げます。翌朝の台所に、前夜の痕跡は残りません。
なお、ご自宅にシェフが入るのが難しいご事情がある場合は、届ける形でのご提案もできます。マンションの規約やご家族のご都合など、理由はさまざまです。ご相談の際にお聞かせください。
まとめ
仕出しとは何か、そして4つの手配方法の違いを整理します。
- 仕出しとは、注文に応じて作った料理を、指定された場所まで届けることです。 辞書では「出前」が同義として挙げられています
- 仕出し料理と仕出し弁当に、定義上の大きな違いはありません。 器ごと届けて回収するか、使い捨ての容器かという区別が語られますが、運用は事業者ごとに異なります
- 4つの違いは料理の良し悪しではなく、温度・器・片付け・人手・費用の分担の違いです
- 同じ料理人が作っても、届ける時点で温度と盛り付けと香りの立ち方は変わります。 出来たてを出したい席では、会場で仕上げる形が向きます
- 場面で選んでください。 人数が読みにくい席や食事が主役でない席は届ける形、主役がいる席や招いた側が席に座っていたい席は、人が入る形が落ち着きます
ご自宅やオフィスで出来たてをお出ししたい場面であれば、人数と日取りだけお聞かせください。そこから、その部屋に合う形を一緒に組み立てます。着席のコースは6名さまから16名さままで、お一人15,000円から承っています。
Na Team Lab の出張料理の詳細や、ご相談は公式LINEにてご案内しています。
よくある質問
仕出しの器は、返さなければいけませんか?
器ごと届けて後日回収する運用をとる仕出し店が多い一方で、使い捨ての容器で届ける店もあります。器の扱いは事業者ごとに異なりますので、注文の際にご確認ください。Na Team Lab の出張料理では、器もグラスも持参し、当日そのまま引き上げます。
何日前までに頼めばよいですか?
手配の形によって変わります。Na Team Lab の出張料理は、2週間前までにご相談いただけると余裕をもって組み立てられます。法事の会食のように会場の確保が伴う場合も、2週間前までを目安に動くと落ち着いて進められます。
自宅にも頼めますか?
ご自宅へお伺いしています。6名さまから16名さまの着席コースが基本で、食材・器・グラス・カトラリー・調理道具をすべて持参します。ご自宅にシェフが入るのが難しいご事情がある場合は、届ける形でのご提案もできます。
ご依頼の前に、料理を確かめる体験ランチ。
出張料理をご検討中の方へ、恵比寿の店舗で料理をご体験いただけます。担当者様・役員の方々もご一緒に。1〜8名様 / お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み / 約2時間・完全予約制。完全予約制・開始時間はご都合に合わせて調整。
ご依頼前の体験ランチ 1〜8名様
担当者様・役員の方と、恵比寿で料理を体験。
お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み体験ランチの詳細を見る

