ケータリングの見積書を開いて、税率の欄で手が止まったことはないでしょうか。同じ料理を頼んだはずなのに、ある行には8%、別の行には10%と書かれている。社内の稟議に回す前に、この数字の根拠を一度は確かめておきたい。

ケータリングの消費税は、料理が和食か洋食かでは決まりません。指定場所で調理・盛り付け・配膳などの役務を伴うかで分かれます。この点を押さえると、見積書の読み方も、宅配やお弁当との違いも、一本の線でつながります。

この記事では、8%と10%の分かれ目、見積書のどの行が何%になるのか、そして社内イベントや取引先との会で勘定科目をどう整理するかを、ケータリングと出張料理の両方をお受けしている側から整理します。なお本文の税制の記述は、2026年10月時点で確認した内容です。

SUMMARY

結論:料理を届けるだけなら軽減税率の8%、指定場所で調理・盛り付け・配膳などを伴うケータリングは標準税率の10%です。 税率を分けるのは料理名ではなく、指定場所での提供方法です。配送や引き渡しの動作だけで決まるわけではありません。 消費税法は、相手方が指定した場所で加熱・調理・給仕などの役務を伴う提供を、軽減税率の対象外としています。 勘定科目は、参加者が社内だけか社外を含むか、会議に付随するかという観点から整理されることが多く、最終的なご判断は顧問税理士にご確認ください。

あわせて、ケータリングとは何かとケータリングの料金もご覧ください。

8%と10%を分けているのは、指定場所での提供方法

まず全体像を置きます。手配の形ごとに、一般的にどう整理されるかをまとめました。

手配の形届け先で売り手がすること一般的な税率の整理
宅配・デリバリー届けて置いていくだけ軽減税率8%
仕出し(器ごと届けて、後日回収)届けて置いていくだけ通常は軽減税率8%
ケータリングと呼ばれるサービスでも配達のみ届けて置いていくだけ通常は軽減税率8%
ケータリング(設営・盛り付け・給仕あり)盛り付け、配膳、補充、片付け標準税率10%
出張料理(現地で調理して提供)加熱、調理、給仕標準税率10%

右端の列が分かれる理由は、真ん中の列で説明がつきます。飲食料品を届けるだけなら8%、指定場所で盛り付けや配膳などを伴えば10%という整理です。器の後日回収など、個々の契約内容が異なる場合は事業者に確認してください。

気をつけたいのは、「ケータリング」という言葉が二段に分かれていることです。ひとつの言葉の中に、料理を届けるだけの形と、会場に入って設営から給仕までを担う形の両方が入っています。見積書の税率が会社ごとに違って見えるのは、同じ言葉で違う作業を売っているからです。

ですので、相見積もりを並べるときは、金額の前に作業範囲の行を見比べてください。そこが揃っていないと、税率も総額も比べられません。

なぜ、同じ料理で税率が変わるのか

フライパンで肉を調理する料理人の手元の実写写真
調理という役務を示す写真。撮影場所や写真自体が税率判定の根拠になるわけではありません。

軽減税率8%の対象になるのは、酒類と外食等を除いた「飲食料品の譲渡」です。つまり、モノとして食べ物を渡す取引が8%にあたります。

これに対して、軽減税率の対象外として定められているものの中に、次の一文があります。

相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供

これが、いわゆるケータリング・出張料理を指す部分です。国税庁は、指定場所での盛り付け、料理の入った器の配膳、取り分け用食器の配置なども例示しています。届け先でこうした役務を伴う提供は、標準税率で扱われます。詳しくは国税庁の軽減税率制度の説明をご確認ください。

ここから分かるのは、税率が言葉ではなく実態で決まるということです。「仕出し」は税法上の区分名ではありません。器ごと届けて帰るのであれば譲渡に近く、会場で盛り付けて給仕まで行うのであれば役務を伴う提供に近づきます。看板にどの言葉が書かれているかは、判定の基準になりません。

同じことは出前や宅配にも当てはまります。調理済みの料理を指定の場所まで運ぶだけで、配達先での調理や盛り付け、配膳を含まないのであれば、飲食料品の譲渡として扱われます。配達という行為そのものが税率を上げるわけではないのです。

見積書のどこが8%で、どこが10%になるのか

実務でいちばん迷うのは、見積書が複数行に分かれているときです。行ごとに見ていきます。

料理

会場で手を加えるかどうかで変わります。容器に詰めた料理を置いていく形なら譲渡、会場で仕上げて盛り付ける形なら役務を伴う提供です。同じ料理名でも、作業範囲の記載で読み分けてください。

サービススタッフ・人件費

配膳や補充、片付けのために人を置く費用は、飲食料品そのものではありません。役務の対価として、標準税率で扱われるのが一般的です。

器・グラス・備品のレンタル

器やグラスは飲食料品ではありませんので、料理とは別に整理されます。レンタルを別建てにしている会社の場合、この行だけ税率が違って見えることがあります。

ドリンク

酒類は、軽減税率の対象となる飲食料品に含まれません。料理が8%で計算される場面でも、お酒は標準税率です。ソフトドリンクと酒類が同じ行にまとめられていると、あとから分解できません。飲み物は分けて記載してもらうと、確認が早く済みます。

出張費・配送費

飲食料品の譲渡に付随する配送なのか、独立した役務なのかで扱いが分かれます。ここは会社ごとに考え方が違う部分ですので、見積書の段階で尋ねておくほうが安全です。

Na Team Lab の場合

参考として、私たちの形をお伝えします。Na Team Lab がお受けしているのは、食材と器を持ち込み、お客様の会場で火を入れて仕上げ、そのまま卓へお出しする形です。運ぶのではなく、その場で仕立てることを前提に組み立てています。会場で調理と給仕を伴いますので、一般的な整理では標準税率の対象にあたります。

そのうえで、表示価格は税・サービス料・出張費すべて込みです。お一人あたりの金額に、あとから別の項目が加わることはありません。着席コースはお一人15,000円から、ワインペアリングを付ける場合は22,000円、17名さま以上のビュッフェ形式はお一人8,000円から。1回のご依頼につき90,000円からを目安にしています。稟議を「一人あたり×人数」で組む際に、内税か外税かで計算し直す手間は生じません。

勘定科目は、3つの観点から整理する

ここからは注意深く書きます。勘定科目の判定は、会の目的や社内規程、参加者の構成によって変わります。ひとつの場面と科目名を一対一で結びつけることはできません。 以下は一般に整理の軸とされる観点であり、個別のご判断は顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。

確認する観点何を見るか
参加者の範囲社内の者だけの会か、社外の取引先などを含む会か
社内行事としての性格全社員を対象とした、一律の行事にあたるか
会議との関係会議や打合せに付随する飲食にあたるか

経理のご担当者から実際にいただくご質問も、だいたいこの3点に集まります。誰が参加する会なのか。全社員が対象なのか。会議の中の食事なのか。この3つを先に言葉にしておくと、顧問税理士への確認が一往復で済みます。

逆に、幹事から経理へ上がってくる情報が「ケータリングを頼みました」だけだと、そこから判断材料を集め直すことになります。発注の時点で、参加者の構成と会の趣旨をメモに残しておくことをおすすめします。これは税の話というより、社内の手戻りを減らす話です。

なお、店での会食についての整理は別の記事にまとめています。会場に料理を呼ぶ形と、店に出向く形では、確認する論点が少し違います。あわせて 会食の勘定科目と税務の考え方 もご覧ください。

発注の前に、経理のご担当者が確認しておきたいこと

最後に、実務の順番で並べます。私たちが法人のお客様から実際によくいただくご質問が、そのまま確認事項になっています。

  • 稟議用の見積書を、正式発注の前に出してもらえるか
  • 適格請求書発行事業者かどうか(インボイスの登録番号)
  • 請求書の宛名を指定できるか、参加企業ごとに分割できるか
  • 支払いサイトを社内規程の締め日に合わせられるか
  • 領収書の宛名と但し書きを指定できるか
  • 支払方法に何が使えるか

Na Team Lab についてお答えしておきます。見積書・請求書・領収書はいずれも発行でき、領収書は宛名と但し書きのご指定に対応しています。インボイス制度の適格請求書にも対応済みで、請求書の宛名分割も承っています。お支払いは銀行振込と現金(当日払い)で、初回は事前振込または当日支払い、2回目以降は月末締め・翌月末払いにも対応します。クレジットカードと電子決済はお取り扱いがありませんので、この点だけ先にお伝えしておきます。

ご相談は2週間前までにいただけると、余裕をもって組み立てられます。

まとめ

ケータリングの消費税について、要点を整理します。

  • ケータリングの消費税は、指定場所での提供方法で分かれます。 飲食料品を届けるだけなら軽減税率8%、会場で調理・盛り付け・配膳などを伴うと標準税率10%です
  • 消費税法は「相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」を軽減税率の対象外としています。出張料理は、この定義に重なります
  • 「仕出し」も「ケータリング」も税法上の区分名ではありません。言葉ではなく、実際の作業範囲で読み分けてください
  • 見積書は行ごとに見ます。スタッフ、器のレンタル、酒類は、料理とは別に整理されます
  • 勘定科目は、参加者の範囲・社内行事としての性格・会議との関係という3つの観点から整理されることが多く、最終的なご判断は顧問税理士または所轄の税務署へ
  • 本文の税制の記述は2026年10月時点のものです。制度は改正される場合がありますので、発注の時点で最新の情報をご確認ください

税率と書類の見通しが立つと、あとは会の中身に集中できます。人数と日取り、そして参加者の構成をお聞かせいただければ、見積書の形までこちらで整えてご案内します。

Na Team Lab の出張料理・ケータリングの詳細や、お見積もりのご相談は公式LINEにて承っております。

よくある質問

ケータリングで出されるお酒は、軽減税率の対象になりますか?

酒類は、軽減税率の対象となる飲食料品に含まれません。料理が8%で計算される場面でも、お酒は標準税率で扱われるのが一般的です。見積書では飲み物を別の行に分けてもらうと、あとから確認しやすくなります。

オフィスの会議室に届けてもらい、盛り付けだけお願いすると10%になりますか?

届け先で盛り付けや配膳といった役務が加わると、一般的な整理では標準税率の対象に近づきます。容器に入れた料理を置いていくのか、そこから先の手を動かすのかが分かれ目です。発注の際に作業範囲をご確認ください。

領収書は、宛名や但し書きを指定して発行してもらえますか?

Na Team Lab では、宛名と但し書きをご指定いただいた領収書を発行しています。請求書の宛名分割にも対応しており、インボイス制度の適格請求書にも対応済みです。必要な記載は、ご相談の際にお申し付けください。

Na Team Lab オーナーシェフ 川原壯太
ABOUT NA TEAM LAB Na Team Lab|株式会社Na Team

東京・恵比寿を拠点に、出張料理・店舗貸切・料理教室・ワイン会を展開。料理、ワイン、空間、その日の時間までを設計し、食を通して心に残る体験をつくっています。

執筆:(オーナーシェフ)。年間200件を超える出張料理・会食の経験をもとに、現場の視点をお伝えします。

私たちの理念・会社情報を見る →
掲載実績・参加者の声を見る →


ご依頼の前に、料理を確かめる体験ランチ。

法人ケータリングをご検討中の方へ、恵比寿の店舗で料理をご体験いただけます。担当者様・役員の方々もご一緒に。1〜8名様 / お一人様15,000円(税込)・ドリンク込み / 約2時間・完全予約制。完全予約制・開始時間はご都合に合わせて調整。

▶ 出張料理を頼む前に読む(一覧)

TOP

Na Team Lab|東京・恵比寿

Na Team Labをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

0