毎月20日という呼び方はMyWineClubの案内にも見られます。本記事では特定団体による制定とは断定しません。一人で一本を飲み切る勧めではなく、少量を分けて楽しみ、飲まない日やノンアルコールの選択も大切にしてください。
家にワインが何本か置いてある。けれども、気づけば半年前と同じ本数のまま棚に並んでいる。開けるきっかけが見つからないまま、ただ置いてある。そんな状態になっていないでしょうか。
ワインが減らない理由は、好きではないからではありません。開ける理由が用意されていないからだと思います。誕生日や結婚記念日のような大きな日は、年に数回しかありません。その数回のために、残りの三百数十日を待つことになります。
だからこそ、ワインの日という仕組みはよくできています。毎月20日(11月20日もその一回)。この日付は、特別な出来事がなくても一本を開けていい、という許可のようなものです。
この記事では、ワインの日がいつで、なぜその日なのかを整理し、そのあとで12か月分のテーマカレンダーをお出しします。今月の一本を決めるために使っていただける形にしました。
結論:日本では、毎月20日を「ワインの日」と呼んで楽しむ例があります。 毎月20日は、フランス語の数字「vingt(ヴァン)」がワインの「vin(ヴァン)」と同じ音であることに由来するとされています。 11月20日だけを別の公的な記念日とする制定経緯は、公式情報で確認できないため断定しません。 月に一度、品種や産地のテーマを決めて1本開ける日にすると、1年で12の違いが体に残ります。
あわせて、ワイングラスを形から選ぶとワインペアリングの組み立て方もご覧ください。
ワインの日はいつ ― 毎月20日(11月20日もその一回)
ワインの日は、毎月の20日として紹介されます。
| 日付 | 位置づけ |
|---|---|
| 毎月20日 | 毎月繰り返されるワインの日 |
| 11月20日 | 毎月20日のうち、秋の新酒の季節に当たる日 |
毎月20日は、文字通り1年に12回あります。1月20日も、5月20日も、9月20日もワインの日です。月に一度の頻度なので、暦の上では「約1か月後にまた来る」という感覚になります。
11月20日は、毎月20日のうち、秋の新酒の季節に当たる日です。制定元や経緯は公式情報で確認できていません。11月という時期は、北半球のその年のぶどうが新酒として出回り始める頃と重なります。
「ワインの日はいつですか」と聞かれたときは、毎月20日と紹介されることが多く、11月には新酒の解禁日もあると答えるのが、いちばん誤解が少ないと思います。
20日という日付の由来

なぜ20日なのか。ここには、言葉の偶然が関係しているとされています。
毎月20日 ― vingt と vin が同じ音だから
フランス語で20は vingt、発音は「ヴァン」です。そしてワインは vin、こちらも発音は「ヴァン」です。綴りは違うのに、口に出すと同じ音になります。
この音の一致から、20日がワインの日になったとされています。語呂合わせと言ってしまえばそれだけの話ですが、言葉の遊びが暦に残るというのは、ワインという飲み物の性格によく似合っていると感じます。
ワインは、産地の名前も品種の名前も、現地の言葉のまま私たちの卓に届きます。ワイン用語にフランス語が多いのも、同じ事情です。訳されずに届いた言葉のひとつが、日付になったと考えると覚えやすくなります。
11月20日も毎月の20日の一回
11月20日については、制定元や経緯は公式情報で確認できていません。本記事では毎月20日の一回として扱います。
由来や制定の経緯については、紹介される内容に幅があります。ですので本記事では「とされています」という書き方にとどめています。制定経緯は断定せず、そのうえでその日付を自分の暦に置けるかどうかだと考えています。
ボジョレー・ヌーヴォー解禁との関係
11月のワインの日には、もう一つの日付が隣り合っています。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。
解禁は毎年11月の第3木曜日で、2026年は11月19日にあたります。つまり2026年の場合、解禁の翌日が11月20日のワインの日という並びになります。
この二日間は、うまく組み合わせられます。
- 11月19日(解禁日) … その年の新酒を開ける日
- 11月20日(ワインの日) … 新酒ではない一本を並べて、違いを確かめる日
新酒は、熟成を前提に造られたワインとは成り立ちが違います。果実の香りがそのまま立ち、渋みは穏やかです。その横に、同じ品種で熟成を経た一本を置くと、何が「新しい」のかが口で分かります。解禁日に一本だけ飲んで物足りなさを感じた経験のある方には、特にお試しいただきたい並べ方です。
新酒そのものの成り立ちについては、ボジョレー・ヌーヴォーの記事で醸造の側から説明しています。
12か月のテーマカレンダー
ここからが本題です。毎月20日に、何を開けるか。
テーマを決めておくと、棚の前で迷う時間がなくなります。下の表は、季節とその月の食卓に寄せて組んだ12か月分の目安です。この通りに進める必要はありませんが、順番が決まっているだけで前に進みます。
| 月 | テーマ | 考え方 |
|---|---|---|
| 1月 | 泡 | 年の初めに、シャンパーニュとその他の泡の違いから |
| 2月 | 甘口 | 寒さが残るうちに、糖度の高い一本を少量で |
| 3月 | ロゼ | 赤と白のあいだにある色を、春の入口で |
| 4月 | ソーヴィニヨン・ブラン | 青さと柑橘の香りが、春の野菜に寄り添う |
| 5月 | リースリング | 酸と甘みの関係を、一つの品種の中で確かめる |
| 6月 | 日本ワイン・甲州 | 湿度の高い季節に、軽やかな一本を |
| 7月 | オレンジワイン | 白ぶどうを赤の造りで。四つ目の色を知る月 |
| 8月 | 自然派 | 造りの考え方に目を向ける。冷やして軽く飲む |
| 9月 | ブルゴーニュ | 収穫期に、産地という単位で味を覚える |
| 10月 | シラー | 気温が下がる頃、香辛料の香りのある赤へ |
| 11月 | 新酒 | 解禁日と20日を、二日続けて使う月 |
| 12月 | カベルネ・ソーヴィニヨン | 一年の締めに、骨格のある赤を一本 |
カレンダーの使い方 ― 比べる相手を一つ置く
このカレンダーには、一つだけ使い方のコツがあります。毎月、比べる相手を一つ置くことです。
一本だけ開けて飲むと、感想は「おいしい」か「そうでもない」の二択に寄ります。ところが二本並べると、言葉が増えます。こちらのほうが酸が立っている、こちらのほうが香りが甘い。差を見つけた瞬間に、味わいが情報に変わります。
相手の置き方は、条件を一つだけ変えるのが基本です。
- 同じ品種で、産地を変える
- 同じ産地で、年を変える
- 同じ一本で、温度を2℃変える
三つ目は、ボトルを増やさずにできる方法です。温度を2℃下げると酸とタンニンが立ち、2℃上げると香りと甘みが出ます。ワインの適温の記事にまとめた考え方で、同じ一本から二つの表情を取り出せます。
ワインの日に、私がしていること
私はコースの中に、飲み比べを組み込むことがあります。やり方は決まっていて、毎月の20日です。
白ワインは、同じ品種で産地を変える。赤ワインは、ヴィンテージを変える。
この二つだけを使っています。品種をいくつも並べたり、産地をばらばらに散らしたりはしません。差が一つに絞られているときにしか、人の舌は違いを言葉にできないからです。
白で産地を変えると、気候の差が出ます。冷涼な土地のものは酸が立ち、温暖な土地のものはボディが増します。赤で年を変えると、時間の差が出ます。若いものは縁まで濃く、熟成が進んだものは縁がレンガ色に近づいていきます。グラスを二つ並べて色を見比べるところから始めれば、まだ一口も飲んでいない段階で違いが見えます。
ワインの日の使い方として、私がおすすめするのはこの形です。月に一度、条件を一つだけ変えた二本を開ける。12回繰り返せば、産地の差を6回、年の差を6回、体で確かめたことになります。本を読んで覚えた12の知識より、口で覚えた12の差のほうが残ります。
テイスティングの手順そのものは、ワインのテイスティングの記事で詳しく扱っています。
家で、店で、会で ― ワインの日の三つの過ごし方
ワインの日の楽しみ方は、場所で三つに分かれます。
家で過ごす場合は、前の月との地続きを作るのが要点です。開けたボトルのラベルを写真に残しておくと、翌月に条件を一つ変えて選べます。残ったワインは、残量によって酸化の速さが変わります。1〜2杯しか飲んでいなければゆっくり進み、残り1杯なら翌日には酸化を感じることもあります。経過日数・温度・密閉・残量で考える、という目安はワインの保存方法の記事に整理しました。
店で過ごす場合は、グラスで複数を頼めるお店を選ぶと、その場で比べられます。注文のときに「同じ品種で産地が違うものを二つ」と伝えれば、意図が通じます。
会で過ごす場合は、並ぶ本数が増えます。Na Team Labでは、毎月テーマを立ててワイン会を企画しています。コース形式では料理とともに6杯を、立食形式では10本から15本を並べて、ビュッフェ形式の料理を囲みながら開いています。しっかり料理を味わいたい方にはコース形式、交流も楽しみたい方には立食形式をおすすめしています。
開催は19時から21時30分のパターンが多く、土日も平日もあります。これまでの会では、7割近くの方がお一人で参加されています。会の最初に自己紹介の時間を設けているので、はじめての方でも言葉を交わしやすい形になっています。参加者は30代から40代の方が多く、60代の方もいて年齢の幅は広く、男女比はおよそ1対1です。ご職業は、経営者の方と会社員の方がおおよそ半々です。
ドレスコードは設けていません。少し綺麗目な装いの方が多いですが、そこまで気にせず、気軽にお越しいただければと思います。日程やテーマについてのご相談は、公式LINEにて承っています。
まとめ
ワインの日は、暦に置いておくだけで役に立つ仕組みです。
- 日本では毎月20日をワインの日と呼んで楽しむ例があります
- 毎月20日は、フランス語の vingt(20)と vin(ワイン)が同じ音であることに由来するとされています
- 11月20日も毎月20日の一回で、2026年はボジョレー・ヌーヴォー解禁日(11月19日)の翌日にあたります
- 12か月のテーマを決めておくと、棚の前で迷わずに一本を選べます
- 毎月、条件を一つだけ変えた二本を並べると、違いが言葉になって残ります
次の20日に、棚から一本を取り出してみてください。選ぶ理由は、もう暦の側が用意してくれています。
よくある質問
世界にもワインの日はありますか?
国や地域ごとに、収穫祭や新酒の解禁日といった独自の日が置かれています。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日もその一つです。日本の毎月20日のように月ごとに繰り返す形は多くありませんので、月に一度という頻度は日本で使いやすい仕組みだと考えています。
ワインの日のセールで買うべきでしょうか?
価格を理由に本数を増やすよりも、テーマを決めて1本を選ぶほうが残るものが多いと考えています。買う前に「今月は何を比べたいか」を決めておくと、棚の前で迷いません。保管に不安があれば、冷暗所に置ける本数までにとどめるのが現実的です。
ワインの日には何を開ければいいですか?
迷ったときは、前の月に開けたものと一つだけ条件を変えて選んでみてください。同じ品種で産地を変える、同じ産地で年を変える。差が一つに絞られていると、違いが言葉になりやすく、記憶にも残ります。
一杯の違いを、料理とともに確かめる。
少人数のワイン会で、グラス、温度、料理との関係を実際に比べます。

